クリストファー・カロザース

クリストファー・カロザース

クリストファー・カロザース（Christopher Carrothers、1839年6月30日 - 1921年2月25日）は、明治時代に日本で活動したアメリカ合衆国出身の宣教師です。米国長老派教会から派遣され、教育者としても貢献しました。

生涯

初期

1839年、カロザースはアイルランド系移民の家庭に、オハイオ州で生まれました。彼は長老教会の信仰の中で育ち、1862年にペンシルベニア州のワシントン大学に入学。その後、カナダのクイーンズ・カレッジで神学を学び、1867年に卒業しました。シカゴ長老派神学校に進み、1869年に卒業すると、親友の推薦により宣教師として任命されました。

横浜

1869年、カロザースはジュリア・ドッジと結婚し、同年7月に横浜に到着しました。横浜居留地の宣教師館に住み、ヘボン塾を手伝いながら、東京にミッションの拠点を置くことを決定。カロザースがその管理者となりました。

築地

カロザース夫妻はヘボンと共に築地に移り住み、英語塾を開設。ジョン万次郎の弟子である伊澤修二も塾生の一人でした。1872年4月には銀座大火で家財を失いましたが、バラックを建てて生活を再開。後藤牧太の紹介で慶應義塾の教師となり、聖書を教えたり、カリキュラム改革を助言したりしました。

宣教師会議

1872年9月、在日宣教師会議が開かれ、聖書の翻訳や教会の組織について協議されました。カロザースはヘボンと共に教派主義を主張しました。1874年10月には、英米長老派の協力により築地大学校（東京大学校）を開設。カロザースも教師として教鞭を執り、瓜生外吉、尾崎行雄など、後に社会で活躍する人材を育成しました。また、東京第一長老教会を設立し、自ら仮牧師に就任。築地での活動は築地バンドと呼ばれました。

問題発生と辞任

カロザースの妻ジュリアが設立した女学校を巡り、他の宣教師との間に意見の相違が生じました。さらに、インブリーが派遣されミッションの監督をするようになると、カロザースは不自由を感じるようになりました。1876年1月、「耶蘇」の訳語問題でインブリーと対立し、ミッションの辞任を宣言。その後、日本独立長老教会が設立され、カロザースが仮牧師となりました。

お雇い外国人

ミッション辞任後、カロザースは広島英語学校や大阪英語学校で教鞭を執りました。1882年にアメリカへ帰国しますが、1887年に再来日。神奈川県尋常中等学校や仙台第二高等学校で教師を務めました。しかし、1896年に紀元節での不敬事件を理由に解雇され、再びアメリカへ帰国。

晩年

晩年はユニテリアン・ユニヴァーサリズム的な信仰に傾倒し、ワシントン州の自宅で過ごしました。1921年、ロペス島で生涯を閉じました。

カロザースは、日本の近代化とキリスト教の発展に貢献した人物として記憶されています。

もう一度検索