クリプトクリアランス

クリプトクリアランス：アメリカ競馬史に輝く名馬

クリプトクリアランス(Cryptoclearance)は、アメリカ合衆国で活躍した競走馬であり、後に優れた種牡馬としても知られる存在です。その競走馬としてのキャリアは、数々の栄光に彩られた輝かしいものでした。

1986年、サラトガ競馬場でのデビュー戦では4着とやや物足りない結果に終わりましたが、続く2戦目で初勝利を収めます。その後も着実に力をつけていき、2歳時には5戦2勝の成績を残しました。

3歳になると、本格的な活躍が始まります。年明け早々から好成績を収め、G2競走エヴァグレイズステークスで重賞初制覇。そして、フロリダダービーでG1競走初勝利の栄冠を掴みました。勢いに乗って挑んだアメリカクラシック三冠路線では、ケンタッキーダービー、プリークネスステークスで好走するも、惜しくも勝利には届かず。ベルモントステークスでは2着という結果に終わりました。

クラシック三冠レースの後も、クリプトクリアランスは活躍を続けます。幾多のレースを戦い抜き、9月のペガサスハンデキャップでG1競走2勝目を飾りました。その後もG1競走メドウランズカップハンデキャップやブリーダーズカップ・クラシックなどに出走しましたが、勝利とは縁遠い結果となりました。

4歳となった1988年は、勝利から遠ざかる時期もありましたが、8月のホーソーンゴールドカップハンデキャップで久しぶりの勝利を挙げ、11月のパターソンハンデキャップも制覇。翌1989年には、ドンハンデキャップで重賞競走連勝を果たし、4月にはワイドナーハンデキャップでG1競走4勝目を達成、6月にはホーソーンゴールドカップハンデキャップを連覇するなど、充実したシーズンを送りました。

しかし、その後は勝ち星に恵まれず、11月のブリーダーズカップ・クラシックを最後に競走馬としてのキャリアを終えました。

引退後は、種牡馬として第二のキャリアをスタートさせます。ヴィネリースタッド、そしてマルゴーファームで多くのサラブレッドを送り出しました。クリプトクリアランスは40頭を超えるステークスウイナーを輩出するなど、種牡馬としても大きな成功を収めました。その代表的な産駒には、ベルモントステークスを制し、エクリプス賞最優秀古牡馬にも輝いたヴィクトリーギャロップ、プリンスオブウェールズステークスを制覇したクリプトクローサー、ブリーダーズカップ・クラシックを制したヴォルポニなどがいます。

2009年9月24日、心臓発作による合併症を起因とする疝痛のため、永眠しました。クリプトクリアランスの功績は、競走馬としての華々しい活躍と、種牡馬としての成功という、二つの側面からアメリカ競馬史に深く刻まれています。その名は、これからも多くの競馬ファンに語り継がれていくことでしょう。

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