クリプルクリーク

コロラド州の歴史的な鉱山都市、クリプルクリーク

クリプルクリークは、アメリカ合衆国コロラド州中南部のテラー郡に位置する都市です。ロッキー山脈の壮大なパイクスピークの西麓に抱かれ、州都コロラドスプリングスから西へ約71kmの距離にあります。この街の名前は、市内を流れるクリプルクリーク川に由来します。その名の通り「クリポルクリーク」と発音します。

ダウンタウンはアメリカ合衆国国定歴史建造物に認定されており、歴史的な景観を今に伝えています。

開拓前の歴史

かつてこの地には、ネイティブアメリカンのユート族が住んでいました。ゴールドラッシュが周辺地域に及んでいた頃、この地に金があると嘘の噂が流れ、一時は多くの人々が集まりましたが、実際には金は見つからず、その後、この土地は忘れ去られていました。

コロラドゴールドラッシュの中心都市

1890年10月20日、ロバート・ミラー・ウォーマックが乗馬中に金の鉱脈を発見したことから、クリプルクリークの歴史は大きく動き出しました。このニュースはアメリカ全土に広がり、一攫千金を夢見る人々が押し寄せました。これがコロラドゴールドラッシュの始まりです。ウィンフィールド・スコット・ストラットは、クリプルクリークで最初の金鉱山であるインディペンデンス鉱山を開設しました。

1892年6月9日、クリプルクリーク市はテラー郡の郡都として正式に設立されました。1890年からわずか2年の間に、人口は500人から1万人に急増しました。

1894年には、鉱山労働者による大規模なストライキが発生。州知事が州兵を派遣して鎮圧を図りましたが、デモ隊の反発を招き、一時的に暴徒化しました。しかし、州兵が装備していたガトリング銃を見たデモ隊はストライキを諦めました。

1896年4月25日、クリプルクリーク市街地を焼き尽くす大火が発生しました。その4日後には、再び大火が発生し、市の残りの半分も焼失するという大惨事に見舞われました。しかし、その後、市街地は耐火性の高いレンガで再建され、その際に建てられた建物がアメリカ合衆国国定歴史建造物に認定されています。

その後、金の採掘量は年々減少し、それに伴い人口も減少。1970年代には、人口は数百人程度になり、半ばゴーストタウン化しました。

現在のクリプルクリーク

1991年、コロラド州はクリプルクリーク市内でのギャンブルを合法化しました。これを機に、空き家だらけだったダウンタウンはカジノで溢れ、かつて鉱山で使用されていた軽便鉄道の廃線跡を利用した観光列車も運行を開始。街は一気に活気を取り戻しました。地元紙は「コロラドゴールドラッシュの再来」と報じました。

2012年現在、クリプルクリークのカジノ単独での税収は1億4千万ドルに達しています。

地理

クリプルクリークは、3000万年前には火山のカルデラ湖であった場所に位置しています。現在も市内にはクリプルクリーク川が流れています。

クリプルクリーク川の伝説

ゴールドラッシュが始まった頃、この川を渡った家畜が次々と怪我を負ったことから、体の不自由を意味する「Cripple」という言葉が川の名前に使われたと言われています。

経済

クリプルクリークの経済は、金の採掘業とカジノ・観光業によって支えられています。

採掘業

2005年現在、クリプルクリーク地区では年間2350万トロイオンスの金が採掘されています。現在の金の採掘は、クリプルクリーク＆ビクターゴールドマイニング会社が独占しています。

カジノ・観光業

1991年のカジノ合法化以降、クリプルクリークには多くのカジノがオープンしました。近隣のコロラドスプリングス市営空港、デンバー国際空港、デンバーユニオン駅から毎日、送迎用のバスが運行しています。

観光業では、1890年代の廃鉱山を巡るツアーや、近隣のビクター市へ向かう観光列車が人気です。

交通

現在、クリプルクリークへは車でのアクセスが最も一般的です。ハイウェイ24号のデバイドまたはフロリサントから、それぞれコロラド州道60号線またはテラー郡道1号線を経由するルートが利用されます。かつては、コロラドスプリングス市との間に軽便鉄道が走っていました。

外部リンク

City of Cripple Creek - 市の公式サイト
Visit Cripple Creek - 市の観光サイト

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