クリープショー2/怨霊

1987年に公開されたアメリカ合衆国のオムニバス形式ホラー映画で、1982年の『クリープショー』の続編にあたる作品です。前作で撮影監督を務めたマイケル・ゴーニックがメガホンを取り、脚本は前作の監督であったジョージ・A・ロメロが担当しました。スティーブン・キングの短編を再び映像化した本作は、『木彫りのインディアン酋長』、『筏（いかだ）』、『ヒッチハイカー』という三つの恐怖譚で構成されています。

主演はロイス・チャイルズ、ジョージ・ケネディ、ドロシー・ラムーア、トム・サヴィーニらが務めました。特に、ドロシー・ラムーアにとっては1996年に亡くなる前の最後の映画出演となりました。

当初の構想では前作と同じく五つの物語が収録される予定でしたが、予算上の都合により、二つのエピソード『ピンフォール』と『地獄から来た猫』は製作が見送られました。幻となったこれらのエピソードのうち、『地獄から来た猫』は後に別のオムニバスホラー映画『フロム・ザ・ダークサイド 3つの闇の物語』で映像化されています。また、『ピンフォール』は老いた富豪の遺産を巡るボウリングチーム間の争いが、死者の復讐によって恐怖を招く物語として企画されていましたが、こちらは映像化には至りませんでした。

あらすじ

物語は、前作同様にホラーコミック誌『クリープショー』を媒介として展開します。

プロローグでは、少年ビリーが待ち望んでいたコミックの最新号をクリープから受け取る様子が描かれます。

最初の物語「木彫りのインディアン酋長」では、小さな雑貨店を営む老夫婦が強盗に襲われ命を落としますが、店先に立つインディアン酋長の人形が魂を得て、夫婦の無念を晴らさんと強盗たちに凄惨な報復を行います。

続く「筏（いかだ）」は、秋の湖で孤立した筏に乗り合わせた四人の大学生が主人公。水面に漂う黒い油膜のような謎の生命体「ブロブ」に捕捉された彼らは、一人また一人と無慈悲に捕食されていきます。湖の真ん中で逃げ場を失った若者たちの絶望的な状況が描かれます。

幕間を挟んで第三の物語「ヒッチハイカー」が始まります。不倫相手との逢瀬を終え、急いで帰宅しようとする女性実業家アニーは、運転中に誤ってヒッチハイカーを轢いてしまいます。事故を隠蔽しようと現場から逃走するアニーでしたが、驚くべきことに、一度轢き殺したはずのヒッチハイカーが不死身となって、執拗に彼女を追い回すのです。何度撃退しても蘇る亡霊の恐怖に、アニーは精神的にも追い詰められていきます。

エピローグでは、プロローグに登場した少年ビリーのその後が描かれます。彼をいじめていた子供たちは、ビリーが受け取ったハエトリグサの球根を壊しますが、その球根から育った巨大な植物によって返り討ちに遭うという、因果応報の結末が待っています。

製作と反響

本作は1987年5月1日に全米で劇場公開され、初週末には約358万ドルの興行収入を記録し、最終的に約1400万ドルを稼ぎ出しました。

しかし、批評家からの評価は概ね厳しいものでした。「ニューヨーク・タイムズ」紙は「アイデアはあるが展開が不十分」と評し、「バラエティ」誌は「想像力と恐怖が非常に欠如している」と酷評。「ロサンゼルス・タイムズ」紙に至っては、「ホラー界の二大巨匠による残飯のような手抜き続編」と切り捨てるなど、多くのレビューで前作と比較され、恐怖や創造性の欠如を指摘されました。映画レビュー集積サイトRotten Tomatoesでも、支持率は振るわず、ストーリーテリングの単純さや本物の恐怖が軽視されている点が欠点として挙げられています。

撮影においても苦労があり、特に「筏（いかだ）」のパートでは、ランディ役の俳優ダニエル・ビアーが極寒の水中での撮影中に低体温症寸前に陥り、病院に搬送されるアクシデントに見舞われています。

映像メディア

日本では過去にVHSやレーザーディスク、DVDとしてリリースされており、2014年にはHDリマスター版のBlu-rayも発売されています。

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