クレオンブロトス2世

クレオンブロトス2世：スパルタの王

クレオンブロトス2世（紀元前243年 - 紀元前240年在位）は、アギス家の傍系にあたるスパルタの王であり、彼の治世はスパルタの歴史の中でも特異な期間です。彼はスパルタ王レオニダス2世の娘、キロニスを妻に迎え、家系を通じてアギス家とつながりを持ちました。この結婚は彼の政治的立場を強化し、国家の内政に影響を与えました。

治世の始まり

クレオンブロトス2世は、権力の争いの中で王位を獲得しました。彼はアギス派の監督官リュサンドロスの助けを借りて、レオニダス2世を廃位に追いやり、自ら王として立ち上がります。この事件は、スパルタの政局における重要な転機となり、クレオンブロトスが権力を手に入れるための戦略的な決断の一つでした。レオニダスはその後、アルカディアに亡命し、彼の治世は緊迫した状況を引き起こしました。

権力の動揺とクーデター

クレオンブロトスは、レオニダスの追放後に王位につくものの、その短い治世は穏やかではありませんでした。紀元前240年、レオニダスが帰国し、クーデターを起こします。この時、アギス家とクレオンブロトスは新たな危機に直面します。彼らはそれぞれ、神殿に逃げ込んで庇護を求めました。アギスはカルキオイコス神殿に、クレオンブロトスはポセイドン神殿に身を寄せました。

家族の支え

この混乱の中で、キロニスが果たした役割は重要です。彼女の説得により、クレオンブロトスはその命を守ることができました。逃げる際、彼は妻子と共にテゲアへと亡命し、権力争いから距離を置くことになります。この事件は、家庭の重要性や支え合いの大切さを物語っており、クレオンブロトスの治世における個人的な側面を強調しています。

最晩年と死

クレオンブロトス2世がいつ亡くなったかは史料に残っておらず、不明な点が多いのが実情です。彼の治世は短かったものの、スパルタの内政やその後の権力闘争に大きな影響を与えました。彼の家族との関係性や、政治的な動きは、スパルタの歴史の一部として評価されています。

参考文献

• - パウサニアス『ギリシア記』龍渓書舎、1991年。
• - プルタルコス 著、村川堅太郎他 訳『世界古典文学全集 プルタルコス』筑摩書房、1966年。
• - ポリュビオス 著、川島俊之 訳『世界史』（1）龍渓書房、2004年。

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