クレラー・ミュラー美術館

クレラー・ミュラー美術館

クレラー・ミュラー美術館は、オランダのヘルダーラント州エーデに位置するデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園内、オッテルロー村にあります。この美術館は、実業家のアントン・クレラー・ミュラーと妻のヘレン・クレラー・ミュラー夫妻のコレクションを基礎として、1938年に開館しました。

コレクションの特徴

この美術館は、フィンセント・ファン・ゴッホのコレクションで特に知られています。その所蔵数は絵画87点に及び、アムステルダムにあるゴッホ美術館と並んで、世界で最も重要なゴッホ作品のコレクションを誇る美術館の一つとして広く知られています。

美術館のもう一つの特徴は、屋外展示です。緑豊かな広大な敷地内には彫刻作品が点在しており、自然と芸術が調和した空間が広がっています。この屋外展示のスタイルは、日本の彫刻の森美術館の参考になったとされています。

オランダ政府観光局は、この国立公園と美術館を一体として「ゴッホの森」という名称で観光PRを行っています。しかしながら、ゴッホ自身は主にオランダ南西部で育ち、画家としての活動はフランスが中心であったため、生前のゴッホがこの地域に直接的な関わりがあったわけではありません。

アクセス

アムステルダムから美術館へ行くには、まず列車でアペルドールンまたはエーデ・ワーゲニンゲン駅まで行き、そこからバスに乗り換える必要があります。美術館の入館料とは別に、国立公園の入場料も必要となります。

主な収蔵品

美術館の主な収蔵品には、以下のような作品があります。

フィンセント・ファン・ゴッホ
『アルルの跳ね橋（ラングロワ橋）』（1888年）
『夜のカフェテラス』（1888年）
『種まく人』（1888年）
『糸杉と星の見える道』（1890年）
ジャン・メッツァンジェ
『Coucher de soleil no. 1 (Landscape)』（1906年）
パブロ・ピカソ
『Violon (Violin) 』（1911–12年）
Joseph Csaky
『Deux figures』（1920年）
ジェームズ・アンソール
『マリアケルケの眺め』(Mu.ZEE所蔵マリアケルケの眺めと同題材の作品)

また、彫刻作品も数多く所蔵されており、ジェイコブ・エプスタイン、エミリオ・グレコ、リチャード・セラ、ジャン・アルプ、コンスタン・ペルメーク、ジョージ・リッキー、ケネス・スネルソン、ルーチョ・フォンタナ、ヘリット・リートフェルト、バーバラ・ヘップワースなど、著名な彫刻家の作品を見ることができます。

まとめ

クレラー・ミュラー美術館は、ゴッホの作品だけでなく、近代美術や彫刻を幅広く楽しめる美術館です。国立公園の中に位置するという恵まれた環境も魅力で、美術鑑賞と自然散策を両方楽しむことができます。

外部リンク

クレラー・ミュラー美術館
オランダ政府観光局 クレラー・ミュラー美術館
オランダ政府観光局「ゴッホの森」（2011年12月18日時点のアーカイブ）

もう一度検索