夜のカフェテラス

夜のカフェテラス

フィンセント・ファン・ゴッホによって1888年9月に描かれた油彩作品『夜のカフェテラス』は、南フランス・アルルの夜の情景を捉えた作品です。クレラー・ミュラー美術館に所蔵されています。

概要

この作品には、星空の下、ガス灯に照らされ賑わうカフェが描かれています。ゴッホは、この作品で初めて黒をあまり使わずに夜空を表現しました。夜空に描かれた星座については、やぎ座とけんびきょう座の一部という説と、みずがめ座という説があり、特定には至っていません。いずれにせよ、秋の星座であることは確かです。

画題となったカフェは、アルル中心部のフォーラム広場に面した「カフェ・ヴァン・ゴッホ」です。1990年代初頭には、絵の雰囲気に近づけるために黄色に塗り直されました。このカフェは、現在も観光客に人気のスポットとなっています。

『夜のカフェテラス』は、様々なメディアにも登場しています。2006年には、シャープの液晶テレビ「AQUOS」のコマーシャルに使用されたほか、同年の映画『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』にも登場しました。2010年には、SFドラマ『ドクター・フー』第5シリーズ「ゴッホとドクター」で、この絵を再現したカフェテラスが登場しています。このカフェテラスは、クロアチアのトロギルにセットを組んで撮影されました。

美術研究家のジャレッド・バクスターは、『夜のカフェテラス』がレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を参照しているという説を提唱しています。カフェには12人の客がおり、中央にはキリストのような髪の長い人物が描かれています。また、その背後には十字架のように見える窓枠があり、テラスから去ろうとする左側の影の人物はユダを連想させます。ゴッホはオランダ改革派教会の牧師の息子であり、父同様に聖職者の道を目指しましたが、断念し、20代後半で画家を目指しました。ゴッホは、この作品を描いた頃、弟テオに「私は宗教が非常に必要だということを毎日感じる」という手紙を送っており、宗教的な関心がこの作品に影響を与えた可能性も指摘されています。

ギャラリー

夜のカフェテラス
カフェ・ヴァン・ゴッホ

出典

Wikipedia

関連項目

* フィンセント・ファン・ゴッホの作品一覧

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