クロアチア鉄道

クロアチア鉄道について

クロアチア鉄道（Hrvatske željeznice, HŽ）は、ユーゴスラビアからの独立後に設立された国有の鉄道会社です。この会社は、国内の交通インフラを支え、多くの路線を有しています。2004年の時点では、約2,974kmの鉄道路線網が整備され、そのうち248kmが複線化されており、41.3%にあたる約1,228kmが電化されています。

路線と電化の現状

クロアチアの鉄道網は主に首都ザグレブを中心に広がっています。主な路線には、ザグレブからサヴスキ・マロフ（リュブリャナ方面）、トヴァルニク（ベオグラード方面）、コプリヴニツァ経由のオシエク、リエカ、スプリト行きがあります。また、近隣国であるスロベニア、ハンガリー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアへの接続路線も存在します。

電化は、ユーゴスラビア時代に3kVの直流方式で始まりましたが、近代化の一環としてザグレブ - ベオグラード間では交流25kV/50Hzが採用されています。今後は直流路線と交流路線の両方を使用できる電気機関車の導入も検討されています。

高速化に向けた取り組み

クロアチア鉄道の近代化は非常に急務であり、特に主要幹線の多くは依然として単線かつ非電化です。国土の地形が山岳地帯であるため、急勾配や急曲線が多く、列車の速度の向上が難しい状況です。近年、鉄道のインフラ改善が進められ、鉄道の利用価値を高める努力がなされています。

2010年代には、最高営業速度が160km/hに設定され、特定の区間では試験運転において185km/hの速度も達成されています。たとえば、ザグレブ - ヴィンコヴツィ間では、最高速度が80km/hから120km/h、さらには160km/hに引き上げられました。これにより、移動時間が大幅に短縮されています。

新型振り子式車両「レギオスウィンガー」が導入された結果、ザグレブとスプリトを結ぶ山間路線では、所要時間が9時間から5時間半に短縮され、快適な車内環境も提供されています。この車両は将来的に他の都市への展開も期待されています。

加えて、クロアチア鉄道では高速鉄道の拡大計画も進行中です。カルロヴァツ - リエカ間に新たな路線を設けるべく、在来線の改良が2007年に開始されました。このプロジェクトでは全線の電化とともに、高速化やリエカ港から東ヨーロッパ内陸部への貨物輸送の効率化が目指されています。

結論

クロアチア鉄道は、国の鉄道交通を支える重要な役割を担っています。近代化と高速化に向けた取り組みが進められ、今後の発展が期待される中で、国民の移動手段としての利便性が向上することが望まれています。これにより、国内外の移動がさらにスムーズになることでしょう。

もう一度検索