クロスグリ

クロスグリ（カシス）とは

クロスグリ（学名: Ribes nigrum）は、別名クロフサスグリやブラックカラントとも呼ばれるスグリ科の植物です。濃紫色の小さな果実が特徴で、独特の風味と豊富な栄養価から、世界中で様々な用途に利用されています。

特徴

果実: 黒に近い濃紫色で、強い酸味と独特の香りがあります。ビタミンCやアントシアニンなどのポリフェノールを豊富に含んでいます。
植物: 温帯性の落葉低木で、春に花を咲かせ、夏に実をつけます。葉や茎には特有の香りがあり、香水の原料としても利用されます。

生産地

世界最大の産地はポーランドで、世界の収穫量の約半分を占めています。日本国内では青森県が主な産地です。

かつてアメリカでは、五葉マツ類発疹さび病の原因となるため栽培が禁止されていましたが、現在では一部の州で栽培が再開されています。

利用法

クロスグリは、その独特の風味を活かして様々な食品に加工されます。

食品: ジャム、ゼリー、アイスクリーム、ケーキ、焼き菓子、ドライフルーツなどに利用されます。特にヨーロッパやイギリス連邦諸国では、クロスグリを使ったお菓子が多く存在します。
飲料: ジュース、コーディアル、リキュール、お茶、ワインなどに利用されます。カシスのリキュールは「クレーム・ド・カシス」と呼ばれ、カクテル「キール」などに使われます。イギリスでは、「ライビーナ」というクロスグリのコーディアルが人気です。

成分

栄養成分: ビタミンC、アントシアニン、食物繊維などを豊富に含んでいます。特にアントシアニンは、ブルーベリーやビルベリーには含まれない、クロスグリ特有の成分も含まれています。
種子油: 必須脂肪酸であるγ-リノレン酸 (GLA) を多量に含んでいます。
香り成分: 葉や茎には特有の香りがあり、香水などに利用されます。主な香り成分は、4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオール、4-メルカプト-4-メチル-2-ペンタノン、ギ酸3-メルカプト-3-メチルブチルなどです。

健康効果

抗酸化作用: アントシアニンなどのポリフェノールが豊富で、抗酸化作用が期待できます。
抗炎症作用: γ-リノレン酸 (GLA) が抗炎症作用を持つことが知られています。
その他: インフルエンザウイルスに対する効果や、癌予防効果も示唆されています。

クロスグリは、その風味と栄養価から、健康的な食生活に役立つ食材として注目されています。

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