クロスリー・フィールド

クロスリー・フィールドは、かつてアメリカ合衆国オハイオ州シンシナティに存在した野球場です。1912年から1970年まで、MLBのシンシナティ・レッズが本拠地として使用し、多くのファンに愛されました。

開場と命名

1912年、クロスリー・フィールドは「レッドランド・フィールド」という名前で開場しました。しかし、1929年の世界恐慌の影響で球団経営が困難になったオーナーのシドニー・ウェイルが、1934年に実業家のパウエル・クロスリー・ジュニアに球団を売却。この際、新オーナーの名前を冠して「クロスリー・フィールド」と改名されました。

フィールドの特徴

クロスリー・フィールドには、他にはない独特な特徴がありました。特に有名なのは、左翼手の定位置付近からフェンスにかけて存在する急な上り坂です。これは、1937年の大洪水で球場が約6.4メートルの高さまで水没した際に流れ込んだ土砂が、そのまま残ったものでした。球場を整備する際にも、この土砂は平らにされることなく、球場の名物として保存されました。

主要な出来事

クロスリー・フィールドでは、数々の歴史的な出来事が起こりました。

1912年4月11日: カブス戦で開場（レッズ 10 - 6 カブス）。
1935年5月24日: 大リーグ史上初のナイター開催（レッズ 2 - 1 フィリーズ）。フランクリン・ルーズベルト大統領がホワイトハウスから点灯スイッチを押しました。
1938年6月11日: ジョニー・ヴァンダー・ミーアがブレーブス戦でノーヒットノーランを達成（レッズ 3 - 0 ブレーブス）。
1938年7月6日: オールスターゲーム開催（ナ 4 - 1 ア）。
1944年6月10日: ジョー・ナックスホールが15歳10ヶ月で大リーグデビュー。これは現在も大リーグ史上最年少記録です。
1953年7月14日: オールスターゲーム開催（ナ 5 - 1 ア）。
1966年8月21日: ビートルズが野外コンサートを開催。
1970年5月17日: ハンク・アーロンが通算3000安打を達成。
ワールドシリーズ: 1919年、1939年、1940年、1961年に開催。
1970年6月24日: ジャイアンツ戦で閉場（レッズ 5 - 4 ジャイアンツ）。

クロスリー・フィールドは1970年に閉場し、その歴史に幕を閉じましたが、野球ファンにとっては忘れられない球場として、今も語り継がれています。

もう一度検索