クロノス (映画)

『クロノス』（原題：La invención de Cronos、英：Cronos）は、1992年に公開されたメキシコのホラー映画です。ギレルモ・デル・トロが監督を務め、独特な世界観と映像美で観客を魅了しました。ビデオ版のタイトルは『クロノス/寄生吸血蟲』となっています。

ストーリー

物語は16世紀、1536年のメキシコから始まります。錬金術師ウベルト・フルカネリは、宗教裁判所から逃れるためにメキシコへ渡り、総督御用達の時計師として身を隠していました。彼はそこで、永遠の命をもたらす秘密の機械「クロノス」を創り出します。

それから400年後の1937年、丸天井が崩落した現場で、心臓に致命傷を負った男が発見されます。彼は死人のように白い肌をしており、「スオ・テンポーリ（時は永遠なり）」という言葉を残して息絶えました。警察の捜査が行われましたが、事件は公表されず、「クロノス」に関する記述も一切見つかりませんでした。

現代、古物商を営む初老の男ヘススは、ある日、売り物の天使像の中から奇妙な金属製の機械を発見します。好奇心からその機械をいじると、それは時計のように動き出し、中から飛び出した針がヘススの手を貫通します。その瞬間から、ヘススは針に刺されることに快感を覚え、同時に血への渇望を感じるようになります。さらに、恋人のメルセデスは、ヘススが以前よりも若返っていることに気づきます。

同じ頃、アンヘルという男がヘススの店を訪れ、天使像を購入します。しかし、機械がないことに気づいたアンヘルは、叔父であるクラウディオにそのことを伝えます。クラウディオは、長年「クロノス」を探し求めており、アンヘルにヘススから機械を奪うよう命令します。クラウディオを疎ましく思っていたアンヘルは、ヘススを始末することで命令を果たそうとしますが、殺されたはずのヘススは火葬場から姿を消してしまうのでした。

キャスト

ヘスス・グリス - フェデリコ・ルッピ（日本語吹替：谷口節）
アンヘル - ロン・パールマン（日本語吹替：山野井仁）
アウロラ - タマラ・サナス（日本語吹替：栗原みきこ）
デ・ラ・グァルディア - クラウディオ・ブルック（日本語吹替：小杉十郎太）
メルセデス - マルガリータ・イザベル（日本語吹替：五十嵐麗）
ティト - ダニエル・ヒメネス・カチョ（日本語吹替：八戸優）

関連事項

この映画は、吸血鬼というテーマを扱いながらも、単なるホラー映画に留まらない深みを持っています。不老不死の誘惑と、それによってもたらされる悲劇を描き、人間の欲望と倫理について考えさせられる作品です。

外部リンク

クロノス - allcinema
クロノス - KINENOTE
La invención de Cronos - オールムービー（英語）
La invención de Cronos - IMDb（英語）
Cronos - Metacritic（英語）
Cronos - Rotten Tomatoes（英語）

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