クロノス・グループ

クロノス・グループ

クロノス・グループ（Khronos Group）は、アメリカに拠点を置く非営利団体であり、主にさまざまなプラットフォームやデバイス上で動作するアプリケーションプログラミングインタフェース（API）の標準を策定している技術コンソーシアムです。これにより、開発者たちはロイヤリティフリーで使えるオープンな標準規格を活用でき、並列計算やグラフィックス、メディアアプリケーションにおける技術的な発展を促進しています。

クロノス・グループのメンバーは、この団体が策定するAPI仕様の開発に参加することができ、標準規格の草案への早期アクセスや公開前の投票権を持っています。この参加を通じて、各団体は自身のプラットフォームやアプリケーションに対する提供を前倒しにすることが可能です。特に、クロノスが策定した代表的な標準規格には、3DCG向けのAPI『OpenGL』や、GPGPUに関連するAPI『OpenCL』などがあります。

歴史

クロノス・グループは2000年に設立され、初期のメンバーにはATI、ディスクリート、エバンス・アンド・サザランド、インテル、NVIDIA、SGI、サン・マイクロシステムズといった技術系企業が名を連ねていました。2006年には、SIGGRAPHにおいてOpenGL規格がOpenGL ARBからクロノス・グループに移管されることが公表され、技術分野における重要な一歩を踏み出しました。2016年には、メンバー数が131団体に達し、業界のさまざまな企業から支持を受けています。

ワーキング・グループ

クロノス・グループは、さまざまな技術領域に特化したワーキング・グループを持ち、多くの規格を策定しています。以下は、その代表的なものです：

• - COLLADA：3DCG用のファイル形式
• - EGL：OpenGL ESやOpenVGなどのレンダリングAPIとプラットフォーム固有ウィンドウシステムとのインターフェイス
• - OpenCL：クロスプラットフォームの並列計算用API
• - OpenGL：クロスプラットフォームのコンピューターグラフィックス用API
• - OpenGL ES：モバイルおよび組み込みシステム向けのOpenGL規格
• - OpenGL SC：安全性に重きを置いたOpenGL ESの規格
• - OpenKCam：カメラ操作用API
• - OpenKODE：ファイルシステムやネットワーク関連機能への抽象化API
• - OpenMAX：マルチメディア機能を抽象化するAPI
• - OpenML：デジタルメディアのキャプチャや処理を行なうAPI
• - OpenSL ES：組み込みシステム向けのオーディオAPI
• - OpenVG：2次元ベクター画像処理用API
• - OpenVX：コンピュータビジョン向けAPI
• - OpenWF：2次元画像圧縮と表示のAPI
• - SPIR：OpenCLおよびVulkan向けの中間表現
• - StreamInput：入力デバイスに関するAPI
• - Vulkan：低レベルでオーバーヘッドの少ないグラフィックス用API
• - WebCL：ブラウザでOpenCLを実行するためのAPI
• - WebGL：ブラウザでOpenGLまたはOpenGL ESを実行するためのAPI

クロノス・グループの活動は、デジタルメディアや三次元グラフィックス技術の進化に多大な影響を及ぼしており、多くの開発者と企業がその成果を享受しています。

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