クロルヘキシジン

クロルヘキシジン (Chlorhexidine)

クロルヘキシジンは、医療現場で広く使用されている殺菌消毒薬です。通常、グルコン酸塩、塩酸塩、または酢酸塩の形で利用されます。CAS登録番号は以下の通りです。

クロルヘキシジン: 55-56-1
グルコン酸クロルヘキシジン: 18472-51-0
塩酸クロルヘキシジン: 3697-42-5
酢酸クロルヘキシジン: 56-95-1

主な用途

クロルヘキシジンは、その殺菌効果から様々な用途で使用されています。

洗口液: 歯肉炎などの歯周病の軽減や予防のために、洗口液に添加されます。
手術部位の消毒: 手術を行う部位の皮膚消毒に用いられます。
手術前の手指消毒: 医療従事者が手術前に手指を消毒するために使用します。

医療用医薬品としては、グルコン酸塩のクロルヘキシジンが一般的に使用されています。

国内における注意点

日本国内では、クロルヘキシジンを含む口内洗浄液の使用で、過去にアナフィラキシーショックの事例が報告されています。そのため、市販されている洗口液のクロルヘキシジン濃度は、海外製品（0.12%～術後などは0.2%程度）と比較して低濃度（0.0001～0.0006%）に調整されています。ただし、結膜嚢への使用に関しては、0.02%製剤および20%製剤（使用時に0.02%濃度に希釈）が存在します。

海外における状況

アメリカ合衆国では、クロルヘキシジンは粘膜に使用される第一選択薬となっています。

代表的な製剤としては、ヒビテン、マスキン、ヒビスコールなどが挙げられます。

エタノール不使用時の手指消毒

アレルギーや過敏症のためにエタノールを使用できない場合、以下のクロルヘキシジン製剤が手指消毒に用いられます。

0.1～0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩液
4%クロルヘキシジングルコン酸塩スクラブ

その他の注意点

クロルヘキシジングルコン酸塩は、発泡剤と混合すると効果が減弱する可能性があります。併用には注意が必要です。

関連情報

消毒薬
ポビドンヨード
塩化ベンザルコニウム
塩化ベンゼトニウム
オロナインH軟膏
* サブロン: ジョンソン・エンド・ジョンソンの消毒薬

クロルヘキシジンは、適切な使用方法を守ることで、効果的な殺菌・消毒作用を発揮します。使用に際しては、医師や薬剤師の指示に従うことが重要です。

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