クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅

『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』は、2018年に公開された多国籍合作の冒険コメディ映画です。ケン・スコット監督が、ロマン・プエルトラスの小説を原作に、ダヌシュを主演に迎え、ユーモアと温かさに満ちた物語を紡ぎ出しています。

物語は、ムンバイの街角で育った青年アジャが、亡き母の遺品から父の手紙を見つけるところから始まります。父は、母との結婚を反対され、パリのエッフェル塔で待つと記していました。アジャは、ストリートマジシャンとして生計を立てながら、旅行費用を貯め、憧れのパリへと旅立ちます。

パリに到着したアジャは、まず憧れの家具店を訪れ、そこでアメリカ人女性マリーと出会います。二人はすぐに意気投合しますが、一文無しのアジャは、家具店のクローゼットに隠れて一夜を過ごそうとします。しかし、そのクローゼットはロンドン行きのトラックに積み込まれてしまい、アジャは思わぬ旅を始めることになります。

ロンドンで不法移民たちと出会い、バルセロナに送還されたり、ローマで女優と出会い物語を書いたりと、アジャの旅は予測不能な展開を見せます。熱気球でローマを脱出したり、海賊に襲われたりと、冒険はさらに奇想天外なものへとなっていきます。

旅の中で、アジャは様々な人々と出会い、様々な経験を重ねていきます。難民キャンプの人々との交流を通じて、お金よりも大切なものがあることを学びます。そして、パリに戻ったアジャは、マリーと再会を果たしますが、彼女は婚約していました。失意の中、アジャは自分がするべきことを見つけ、故郷ムンバイに戻り、教師としての道を歩み始めます。そんなアジャの元にマリーが訪ねてきて、物語は幕を閉じます。

アジャの奇想天外な旅は、単なる冒険譚に留まらず、人生における価値や人間関係の大切さを教えてくれます。ユーモラスな展開の中に、社会的なテーマや温かい人間ドラマが織り込まれ、観る人に感動と笑顔を与えてくれるでしょう。

主な登場人物

アジャ：インドのストリートマジシャン。父親を探してパリへ旅に出る。演じるのはダヌシュ。
マリー：アジャがパリで出会うアメリカ人女性。演じるのはエリン・モリアーティ。
ネリー：アジャがローマで出会う女優。演じるのはベレニス・ベジョ。
ウィラージ：アジャがロンドンで出会う不法移民。演じるのはバーカッド・アブディ。

評価

本作は、興行的にはフランスで129万ドル、その他の地域で115万ドルの収入を記録。批評面では、Rotten Tomatoesで支持率60%、Metacriticで56/100のスコアを得ています。ニューヨーク・タイムズは「賑やかで滑稽な旅」と評しています。また、タミル・ナードゥ州ではタミル語吹替版「Pakkiri」が公開され、公開6日間で1,000万ルピーの興行収入を記録しています。

この映画は、ユーモアあふれる展開の中に、人生の教訓や温かい人間関係が描かれています。観終わった後には、心が温かくなり、前向きな気持ちになれるでしょう。

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