クローデット・コルベール

クローデット・コルベールについて

クローデット・コルベール（Claudette Colbert）は、1903年9月13日にフランスのパリ近郊、サン＝マンデに生まれた女優です。本名はエミリー・ショーショワンで、愛称はリリー。彼女は1930年代および1940年代にスクリューボール・コメディジャンルで広く知られた存在となりました。

幼少期とアメリカ移住

彼女の父親はフランス人で銀行家、母親はイギリス人でした。幼少期に家族がニューヨーク市へ移住したことで、コルベールはフランス語と英語のバイリンガルとして育ちます。高校を卒業した後、婦人服店で働きつつファッションデザイナーを目指しアートスクールに通いましたが、1923年に劇作家の依頼でブロードウェイにて舞台デビューを果たします。これを機に彼女は芸名として母方の祖母の旧姓「コルベール」を採用しました。

映画デビューと成功

1927年には映画『力漕一挺身』でスクリーンデビューを果たしましたが、この作品は全くの不発に終わりました。元々は舞台に専念するつもりだったコルベールですが、大恐慌の影響で多くの劇場が閉鎖されたことから、映画の世界に移行せざるを得なくなります。辛抱強く映画界での機会を探る中、1929年に公開された『女は嘘つき』がヒットし、彼女は映画俳優としてのキャリアを築き始めました。

栄光の時代

1934年、彼女はクラーク・ゲーブルと共演し、映画『或る夜の出来事』で甘やかされた富豪の令嬢をコミカルに演じ、アカデミー主演女優賞を受賞します。この成功によって彼女は一躍人気女優としての地位を確立しました。1936年には年収30万ドルを超え、当時のアメリカで最も高収入の女優の一人となりました。

晩年と私生活

1945年、コルベールはパラマウントとの契約が終了し、以降はフリーの俳優として活動を続けましたが、徐々にその人気は低下していきました。1950年の戦争映画『三人の帰宅』では、日本人俳優の早川雪洲と共演し、商業的にも成功を収めました。1958年には舞台『The Marriage Go-Round』でトニー賞にノミネートされるなど、舞台でも活躍しました。

コルベールは私生活において二度の結婚を経験しましたが、最初の夫とはハリウッドで別々に暮らし、二番目の夫とは同居していました。実はレズビアンではないかという噂も流れましたが、彼女自身はこれを否定しています。また、彼女は非常に特異な好みを持っており、クローズアップの際は顔の左側からの撮影しか許可しなかったことで知られています。

最後の年と遺産

彼女は1996年7月30日に92歳で亡くなりました。コルベールに子供はいませんでしたが、彼女の遺産は長年の親友へ多くが譲られました。俳優としての才能だけでなく、その人生のミステリアスな側面も彼女の魅力でした。

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