グイード・フォン・シュターレンベルク

グイード・ヴァルト・リュディガー・フォン・シュターレンベルク

グイード・ヴァルト・リュディガー・フォン・シュターレンベルク（1657年 - 1737年）は、オーストリアの貴族であり、傑出した軍人として名を残しました。彼は、数々の戦役で重要な役割を果たし、その軍事的な才能を発揮しました。従兄にも軍人のエルンスト・リュディガー・フォン・シュターレンベルクがいます。

軍歴

1683年の第二次ウィーン包囲では、エルンストの副官としてウィーンに籠城し、オスマン帝国の侵攻を防ぎました。その後、大トルコ戦争において遠征軍に加わり、1686年のブダの戦い、1687年のモハーチの戦い、1688年のベオグラード包囲戦、1691年のスランカメンの戦いなど、数々の重要な戦いに参戦しました。1697年には、プリンツ・オイゲンの部下として、ゼンタの戦いにも参加し、勝利に貢献しました。

1701年にスペイン継承戦争が勃発すると、シュターレンベルクは引き続きオイゲンの指揮下で、イタリアにおけるフランス軍との戦いに従事しました。1703年にオイゲンがドイツ戦線へ転任すると、彼はオーストリア軍の指揮を任されました。イタリア戦線では、フランスから寝返ったサヴォイア公ヴィットーリオ・アメデーオ2世と協力して、フランスの将軍ヴァンドーム公と戦いましたが、トリノに追い込まれました。1705年にオイゲンがドイツから戻ると、彼はオイゲンと交代し、1706年からはハンガリーで発生したラーコーツィ・フェレンツ2世の反乱鎮圧に出動しました。1708年には、スペイン戦線へ転任を命じられました。

スペインでは、カタルーニャに駐屯し、イギリスの将軍ジェームズ・スタンホープやスペイン王位を巡るカール大公（後のカール6世）と共に、フェリペ5世と戦いました。1710年には、アルメナラの戦いとサラゴサの戦いでスペイン軍に連勝し、その勢いでマドリードを占領しました。しかし、フランスからヴァンドーム公が援軍として派遣されると、マドリードから撤退せざるを得なくなりました。イギリス軍がヴァンドーム公の奇襲を受け、スタンホープが捕虜となるという事態が発生（ブリウエガの戦い）。イギリス軍の救援に向かったシュターレンベルクは、フランス軍と衝突しました（ビリャビシオーサの戦い）。この戦いは、両軍に多数の死傷者を出す激戦となりましたが、最終的には撤退しました。しかし、この戦いによって、フェリペ5世側の戦略的優位が確立され、シュターレンベルクはバルセロナ周辺の防衛に専念することになりました。

1713年にユトレヒト条約と合わせて締結された中立協定により、シュターレンベルクはスペインから帰国しました。1716年から1718年まで、オイゲンが墺土戦争でオスマン帝国と戦い、オーストリアを不在にしている間は、彼の代わりに軍事委員会総裁を務めました。1737年に亡くなるまで、スラヴォニアの総督を務めました。

参考文献

友清理士『スペイン継承戦争 マールバラ公戦記とイギリス・ハノーヴァー朝誕生史』彩流社、2007年。
デレック・マッケイ著、瀬原義生訳『プリンツ・オイゲン・フォン・サヴォア-興隆期ハプスブルク帝国を支えた男-』文理閣、2010年。

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