グミ (植物)

グミ（胡頽子）について

グミは、グミ科に分類される植物であり、果実は食べることができる種類があります。日本では一般的に「グミ」と呼ばれますが、この名前は大和言葉に由来しており、ドイツ語の「ゴム」を意味する「Gummi」とは無関係です。

特徴

グミは常緑性または落葉性の低木で、つる性のものも存在します。常緑種は耐陰性がある反面、耐寒性はあまり強くありません。一方、落葉性は耐寒性が高いです。葉は互生で、葉や茎には多くの毛が生えており、茎には棘も見られます。

花は両性または単性で、がくは黄色で筒状です。先端は4つに裂けており、雄蕊が4本ついています。また、花弁は存在しません。グミは虫によって受粉され、前年の枝の節から新しい芽が伸びる際に開花します。開花後、萼筒の基部が肥大化し、果実が形成されます。

グミの果実は楕円形で、熟すと赤くなり、渋味や酸味、そしてわずかに甘みが感じられます。その形はサクランボに似ていますが、品種によっては強い渋みがあるものもあります。果実にはリコピンが豊富に含まれており、栄養面でも注目されています。ただし、時折虫が入ることがあるため、注意が必要です。

さらに、グミの根にはフランキア属の放線菌が共生しており、これによって窒素固定が行われます。このため、グミは海岸などの厳しい環境においても生育することが可能です。

方言

「グミ」という名前は「グイミ」から来ているとされています。「グイ」は棘を意味し、「ミ」は果実を示します。その他、地方によっては「ビービー」や「ブイブイ」、「ゴブ」といった異なる呼び名があることも特徴の一つです。

分布

グミ属は、ユーラシアから東南アジアにかけておよそ50から70種が分布しています。その中で、E. trifloraはオーストラリアにも見られる唯一の種です。北アメリカにはギンヨウグミ（E. commutata）が生育しており、これは北アメリカに固有の種として知られています。日本には、ナツグミ（E. multiflora）、アキグミ（E. umbellata）、ナワシログミ（E. pungens）、ツルグミ（E. glabra）などの種が存在していますが、商業的にはあまり利用されていません。これらの種は主に庭などに栽培される傾向があります。

まとめ

グミは食用果実として人気がありながらも、商業利用は少なく、その特性や生育方法などに関心をもつ人々によって主に庭で楽しむような存在です。自然環境に適応し、様々な地域で育てられるグミの魅力は、果実の味わいやその栽培の楽しさにあります。

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