グラティアス

グラティアス：高額落札からクラシック挑戦、そしてその後

2018年4月6日、北海道安平町のノーザンファームにて誕生した競走馬、グラティアス。その馬名はラテン語で「感謝」を意味する。2019年のセレクトセールにおいて、2億3000万円という高額で取引され、大きな期待を背負って美浦・加藤征弘厩舎に入厩した。

2歳シーズンとなる2020年、10月24日に行われた東京競馬場の2歳新馬戦（芝2000m）でデビュー。鞍上にはクリストフ・ルメール騎手を迎え、1番人気に応える逃げ切り勝ちを収めた。好スタートから積極的にレースをリードし、後続に1馬身1/4差をつける圧勝劇は、将来性を予感させるものだった。

3歳を迎えた2021年は、1月17日の中山競馬場で行われた京成杯に挑む。ここでは3.1倍の1番人気に支持され、期待に応える走りを見せた。レースでは道中2～3番手追走の後、最後の直線で内から鋭く脚を伸ばし、逃げ粘るタイムトゥヘヴンを2馬身半突き放して重賞初制覇。この勝利で、その名は一気にクラシック候補として注目を集めることとなった。

続くクラシック一冠目、皐月賞ではミルコ・デムーロ騎手に乗り替わり、レースは中団から進めたものの、直線で他の馬との接触があり、6着という結果に終わった。続く東京優駿（日本ダービー）では松山弘平騎手とコンビを組み、2番手追走からレースを進めたが、直線で伸びを欠き8着と敗れた。夏は休養に充て、秋シーズンではセントライト記念、菊花賞と挑んだものの、思うような結果を残すことができず、それぞれ9着、15着と低迷した。

4歳となった2022年シーズン開始前には、宮田敬介厩舎へ転厩。リステッド競走である白富士ステークスに出走したが、3着に敗れ、その後は記録が残っていない。

グラティアスの血統背景も注目に値する。母馬であるマラコスタムブラダは、2014年のアルゼンチンG1、ヒルベルトレレナ大賞の勝ち馬であり、半姉には2019年の阪神ジュベナイルフィリーズ（GI）を制したレシステンシア（父：ダイワメジャー）がいるなど、優れた遺伝子を受け継いでいることがわかる。

2億3000万円という高額で取引された期待の若駒は、京成杯での重賞制覇という輝かしい実績を残したものの、クラシックレースでは思うような結果を残せなかった。それでも、その高いポテンシャルは誰もが認めるところであり、今後の活躍に期待がかかる。今後のレース展開、そしてその先のキャリアに注目したい。

競走成績（2024年10月19日現在）

（JBISサーチおよびnetkeiba.comより）

※詳細な競走成績はJBISサーチ、netkeiba.com、スポーツナビ等で確認できます。

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