グラニオン (潜水艦)

グラニオン (USS Grunion, SS-216) の歴史

グラニオンはアメリカ海軍のガトー級潜水艦の5番艦として、第二次世界大戦中に活躍しました。その名は、アメリカ西海岸に生息するトウゴロウイワシ目の魚類の総称から名付けられました。

艦歴の始まり

1941年、グラニオンはコネチカット州グロトンで建造が始まり、同年12月22日に進水しました。1942年4月11日に就役し、艦長にはマナート・L・エベール少佐が任命されました。整調後、艦は5月24日に太平洋へ向けて出航しました。

航海中の5月31日、グラニオンはドイツのUボートによる魚雷攻撃で沈んだ貨物船「ジャック」の生存者16名を救助するという功績を上げました。救助後、艦は6月3日にココ・ソロに到着し、ここで太平洋艦隊に編入されます。その後も訓練を重ね、6月30日に真珠湾を出航し、ミッドウェー島へ向かいました。

哨戒任務の開始

グラニオンの最初の哨戒任務はアリューシャン列島近くで行われ、旧式の艦艇しか存在しなかったこの地域での活動が求められていました。7月15日にはキスカ島北部で日本海軍の駆逐艦への攻撃を試みましたが、魚雷は命中しませんでした。その後、同じ日のうちにキスカ湾外で敵の掃討作戦を行い、「第25号駆潜艇」と「第27号駆潜艇」を撃沈しました。

その後、「グラニオン」は数回にわたる対潜活動を経て、7月30日には緊張した警戒態勢の中でダッチハーバーへの帰還を命じられました。これが「グラニオン」のアメリカ側における最後の確認となります。

消息不明となる

7月31日朝、グラニオンは特設運送船「鹿野丸」を発見します。鹿野丸は護衛艦艇と別れ、濃霧の中で入港を試みていました。潜水艦による魚雷攻撃が行われ、1本が命中し、航行不能状態に陥ります。これに対して鹿野丸は砲撃を行い、「グラニオン」の艦橋を狙いました。その直後、グラニオンは何らかの理由で沈没したと考えられています。

艦体の発見と確認

この艦の行方は長年にわたり謎とされていましたが、艦長エベール少佐の息子たち（ブルース、ブラッド、ジョン）が20年以上後に探索に乗り出しました。彼らの取り組みを経て、2006年には艦体の位置が特定され、2008年にはアメリカ海軍によって確認されました。

その際、艦の乗員の告別式がクリーブランドで行われ、艦にとっての最後の名誉が捧げられました。しかし残念ながら、次男のブラッドはこの知らせを生前には受け取ることができませんでした。

結論

グラニオンはその存在を多くの人々に知らしめる艦艇として、今でも歴史に名を刻んでいます。彼女の物語は、潜水艦の役割やその重要性を再認識させてくれるものです。第二次世界大戦の激戦の中で奮闘した艦の記録は、今後も語り継がれていくことでしょう。

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