トウゴロウイワシ目

トウゴロウイワシ目（Atheriniformes）

トウゴロウイワシ目は、硬骨魚類の一群であり、約312の種が存在します。この目は、2つの亜目と6つの科、合わせて48属から構成されています。主に沿岸の海域に生息するトウゴロウイワシなどの海水魚や、鮮やかな色合いを持つレインボーフィッシュと呼ばれる淡水魚が含まれています。特にオーストラリアやニューギニアの淡水域に多くの種が集中しており、残りの種は浅い海辺に生息しています。

生息地域と特徴

トウゴロウイワシ目は、主に熱帯および温帯地域に分布し、全体の中では200種が内陸の淡水域に、100種が沿岸の海域に生息しています。トウゴロウイワシ目は、系統的にはダツ目やカダヤシ目と密接な関係がありますが、その分類については未解決な点も多く、研究者によって意見が分かれています。

これらの魚種の中で、海水魚は銀色を基本とし、時には銀の縦縞を持つものも見られます。一方、淡水種は特にオスが非常に鮮やかな体色を持ち、観賞用として人気があります。日本で見られる種は限られており、トウゴロウイワシ、ヤクシマイワシ、ナミノハナなど、海に生息する約6種類です。

身体の構造

トウゴロウイワシ目の魚類は、背鰭が2基に分かれ、先端のものはやわらかい棘条から成っています。後方の背鰭は、1本の棘条と多くの軟条が組み合わさって構成されます。臀鰭にも1本の棘条が見られ、毒を持たない魚が多いですが、側線が欠如していることが一般的です。胸鰭は体の上部に位置し、腹鰭は通常、腹の中心に配置されていますが、種類によっては胸鰭の近くに位置するものもあります。幼魚は、孵化時に鰭条が未発達です。

分類の変遷

トウゴロウイワシ目の分類は、これまで数回の変遷を経てきました。ネルソンによる2006年の研究では、2つの亜目と6つの科、合計48属にまとめられました。その中で、アテリノプス亜目とトウゴロウイワシ亜目に分かれています。過去には3亜目が存在しましたが、現在の分類体系ではアテリノプス科は他の科の兄弟群と見なされています。分類の確定にはまだ解決すべき問題が残っており、研究者の見解も異なります。

アテリノプス亜目

アテリノプス亜目には、アテリノプス科が含まれ、109種が分類されています。このグループの魚類はアメリカ大陸の沿岸や汽水域、淡水域に見られます。大半は体長約15cmですが、一部は1mを超えるものも存在します。

トウゴロウイワシ亜目

トウゴロウイワシ亜目は、5科37属から構成され、204種が存在します。多くは淡水域に生息し、ナミノハナ科や他のトウゴロウイワシ科が含まれます。

結論

トウゴロウイワシ目は、種の多様性と分布の広さから、環境への適応を示す興味深いグループです。その分類や系統関係に関する研究は続けられており、将来的な発見が期待されています。トウゴロウイワシ目に関する知識は、海洋生物学や生態学研究において非常に重要です。

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