グランツーリスモ (ゲーム)

グランツーリスモ (GRAN TURISMO)

『グランツーリスモ』は、ソニー・コンピュータエンタテインメントが1997年に発売したドライビングシミュレーションゲームです。元々はPlayStation用ソフトで、略して『GT』や『GT1』とも呼ばれています。このゲームシリーズの初めての作品として、多くのファンに愛されています。

ゲームの特徴

このゲームの最大の特徴は、プレーヤーが実在する自動車メーカーの車両を使用できる点です。トヨタ、自動車、日産、ホンダ、マツダ、三菱、富士重工業など、多くの自動車メーカーとライセンス契約を結び、各社の数多くの車種を収録しています。パッケージアートには、当時の国産車であるトヨタ・スープラと日産・R33型スカイラインGT-Rが描かれています。

1997年の時点では、レースゲームの多くは事前に設定されたプログラムによって車の挙動を擬似的に再現していましたが、『グランツーリスモ』は自社開発の物理エンジンを使用し、より現実に近い挙動を実現しています。また、環境マッピング技術を採用し、リアルなグラフィックを展開していることも評価を受けています。これにより、ゲームは日本国内外で大ヒットを記録し、200万本以上の販売を達成しました。

ゲームシステム

本作は、クイックアーケードとグランツーリスモモードという二つのプレイスタイルを提供しています。グランツーリスモモードでは、ライセンスを取得し、車を購入し、レースを重ねていくシステムが確立されています。ただし、オートロード機能がないため、プレイヤーは手動でロードする必要があります。また、メモリーカードへの保存データは一つのみで、他のデータを上書き保存すると消失する可能性がある点は注意が必要です。次作『グランツーリスモ2』では、これらの機能が改善されました。

コースの数々

本作にはオリジナルのサーキットが多く収録されています。例として、オータムリンクやグランバレー・スピードウェイなどがあり、それぞれ特徴的なレイアウトとコース設計がされています。例えば、オータムリンクは技術的なコースで、ハイスピードリンクは高速コーナー主体のサーキットです。

日本版と海外版の違い

日本版と海外版（北米版および欧州版）にはいくつかの違いがあります。まず、使用される音楽が全く異なります。日本版では伝統的なオープニング曲が使用されているのに対し、海外版では現代的な曲に置き換えられています。また、クライスラーの名前が北米版ではダッジに変更されるなど、一部車両の表記が異なる点もあります。

音楽

ゲーム音楽は、山内一典の依頼により、T-SQUAREの安藤まさひろが手掛けています。海外版にはGarbageやFeederなどのアーティストの楽曲も収録され、プレイヤーは様々な音楽を楽しめます。

『グランツーリスモ』は単なるレースゲームにとどまらず、リアルな車の挙動、豊富な車種、オリジナルコースなど、多くの魅力を持つ作品です。これにより、レースゲームの新たな基準を確立し、以降のシリーズ作品へと続く道を開きました。

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