グランド・オリンピック・オーディトリアム

グランド・オリンピック・オーディトリアム

グランド・オリンピック・オーディトリアム（Grand Olympic Auditorium）は、カリフォルニア州ロサンゼルスのダウンタウンに位置する歴史的なスタジアムです。1924年に完成したこの施設は、当初から多目的なイベントが開催できるインドアエリアとして設計されました。

スポーツ会場としての歴史

1932年のロサンゼルスオリンピックでは、特にボクシングとレスリングの競技会場として活躍しました。この大会後はカル・イートンがプロモーターに就任し、主にボクシングとプロレスの興行で利用されるようになりました。特に、1964年には海老原博幸とアラクラン・トーレスの試合が行われ、注目を集めました。また、1984年にはフリオ・セサール・チャベスが世界スーパーフェザー級王座決定戦を戦ったこともあり、この時期が特に活発な興行の時代でした。

しかし、施設の老朽化やスポーツ興行の形態の変化から、2005年6月を最後にボクシングの興行は行われなくなりました。

プロレスにおいても、1950年代後半から1960年代の中頃にかけてはWWAの主要な会場として名を馳せました。特に1958年8月27日には、日本のプロレス界のレジェンド、力道山がルー・テーズとの対戦を制し、NWA認定インターナショナルヘビー級選手権を獲得しました。この場で国際的な名勝負が繰り広げられ、ジャイアント馬場がザ・デストロイヤーと対戦した際も注目の一戦となりました。

さらに、アントニオ猪木や坂口征二がここでタイトルを争ったり、金網デスマッチが行われるなど、日本のプロレス界との深い関わりを持つ場所でした。

1970年代後半になると、NWAの有力プロモーターが運営権を引き継ぐものの、1980年代後半からは興行も減少していきました。また、グランド・オリンピック・オーディトリアムは1964年に日本の大相撲公演が開催されたこともあります。さらに、1970年代にはローラーゲームを行う「ロサンゼルス・サンダーバーズ」のホームリンクとしても利用されました。

音楽会場としての役割

グランド・オリンピック・オーディトリアムはスポーツイベントだけでなく、音楽コンサートの場としても重要な役割を果たしてきました。特に、伝説的なロックバンド「パブリック・イメージ・リミテッド」が全米ツアーの一環としてここでライブを行ったことや、ジャネット・ジャクソンがシングル『コントロール』のプロモーションビデオを撮影したことなどが知られています。これにより、アメリカ西海岸の音楽シーンにおいても存在感を示しました。

現在の利用

現在、グランド・オリンピック・オーディトリアムはその建物を残しつつも、韓国系のキリスト教会『Glory Church of Jesus Christ』の礼拝施設として利用されています。かつての賑わいとは異なる形で新たなコミュニティの場となっているのです。

このように、グランド・オリンピック・オーディトリアムは多くの歴史的瞬間を刻み、過去の栄光を今に伝える重要な場所であり、その変遷はロサンゼルスという都市の文化的背景とも密接に関係しています。

もう一度検索