グランド牧場

グランド牧場：サラブレッド生産のパイオニア

北海道日高郡新ひだか町に位置するグランド牧場は、サラブレッド競走馬の生産・育成を行う牧場です。1927年の開場以来、長きにわたり日本の競馬界に貢献し、数々の名馬を輩出してきた歴史を持つ、名門牧場として知られています。

創業から発展へ

牧場は当初、「グラウンド牧場」と呼ばれていましたが、現在の名称に定着しました。創業者の伊藤幸太郎氏は、貴族院議員を務めた伊藤繁太郎氏の甥にあたります。当初は小規模な牧場でしたが、3代目社長である伊藤佳幸氏の時代から積極的な経営戦略が展開されました。繁殖用支場や育成施設が各地に整備され、繋養繁殖牝馬の頭数も大幅に増加しました。この拡大路線によって、グランド牧場はダートグレード競走を中心に活躍する競走馬を数多く輩出する有力牧場へと成長を遂げました。

数々の名馬と輝かしい実績

グランド牧場は、長年にわたり数々の活躍馬を世に送り出してきました。2005年にはスズカマンボが天皇賞（春）を制し、GI競走初制覇という歴史的快挙を達成しました。2015年には、同牧場生産馬同士の配合から生まれたサンビスタがチャンピオンズカップを制覇し、牝馬として史上初めてJRAのダートGIを制覇するという偉業を成し遂げました。

中央競馬だけでなく、地方競馬においても大きな成功を収めています。2009年にはラブミーチャンがNARグランプリ年度代表馬に選出され、2017年にはヒガシウィルウィンが南関東牡馬クラシック2冠を制覇し、同じくNARグランプリ年度代表馬に輝きました。これらの成功は、グランド牧場の生産技術の高さを示すものです。

国際的な視野

グランド牧場は、海外からの繁殖牝馬の導入にも積極的です。2018年には、米ファシグティプトン・ノベンバーセールで、前年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬を230万ドルで落札しました。また、2024年には、G1ベルモントオークスの優勝馬など、複数の優良な繁殖牝馬を数百万ドルで落札するなど、国際的な競争力も持ち合わせています。

世代交代と新たな展開

2020年には、伊藤佳幸氏が会長に就任し、4代目社長に伊藤佳洋氏が就任しました。しかし、2023年に伊藤佳幸氏が逝去。これに伴い、牧場の運営体制にも変化が生じました。2021年からは、馬主としての活動は地方競馬を中心に展開され、中央競馬での牧場名義での出走は2021年が最後となりました。現在は、マーケットブリーダーとして、競走馬の生産・販売に注力しています。

関係者と今後の展望

グランド牧場には、日本中央[[競馬会]]調教師の伊藤圭三氏（3代目社長の弟）をはじめ、元JRA調教師の角居勝彦氏、沖芳夫氏などが関係しており、その人材の豊富さも強みとなっています。

グランド牧場は、長年にわたる経験と実績、そして国際的な視野を活かし、今後も日本の競馬界に貢献していくことでしょう。数々の名馬を輩出してきた歴史と、新たな時代への挑戦を続けるグランド牧場の未来に注目が集まります。

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