グラーツ大学

グラーツ大学：オーストリアを代表する歴史と伝統の学府

グラーツ大学は、オーストリアのグラーツ市に位置する、同市最古にしてオーストリアで2番目に規模の大きい大学です。正式名称はカール・フランツェンス大学グラーツ（Karl-Franzens-Universität Graz）といい、1585年、オーストリア大公フェルディナント2世によって設立されました。

激動の歴史と変遷

グラーツ大学の長い歴史は、カトリック教会による強い影響下で始まりました。しかし、1782年には、ヨーゼフ2世による改革の影響を受け、一時閉鎖を経験します。ヨーゼフ2世は、大学を公務員や医療従事者を育成するリセへと改編しようと試みました。その後、1827年にフランツ2世によって大学としての地位が回復されると、現在の名称である「カール・フランツェンス大学」となりました。2002年には大学法の改定により、医学部は独立してグラーツ医科大学となりましたが、グラーツ大学は現在も3万人以上の学生が学ぶ活気ある大学として存在感を示しています。

著名な教員と卒業生

グラーツ大学は、世界的に有名な科学者や文化人を多く輩出してきたことで知られています。発明家のニコラ・テスラは、1875年にグラーツ工科大学で電気工学を学びました。また、ノーベル賞受賞者のオットー・レーヴィは1909年から1938年まで教鞭を執り、さらにエルヴィン・シュレーディンガーも1936年に学長を務めたという輝かしい歴史があります。

多様な学部と研究分野

グラーツ大学は、神学部、人文科学部、法学部、自然科学部、社会科学部など、幅広い分野を網羅した学部を擁しています。各学部では活発な研究活動が行われており、最先端の知見と技術が融合した教育を提供しています。

ノーベル賞受賞者と世界への貢献

グラーツ大学は、これまでに9名のノーベル賞受賞者を輩出しています。これは、大学の教育・研究水準の高さを示す重要な指標となっています。

1923年　フリッツ・プレーグル（化学賞）
1927年　ユリウス・ワーグナー＝ヤウレック（生理学・医学賞）
1933年　エルヴィン・シュレーディンガー（物理学賞）
1936年　オットー・レーヴィ（生理学・医学賞）
1936年　ヴィクトール・フランツ・ヘス（物理学賞）
1947年　ゲルティー・コリ（生理学・医学賞）
1961年　イヴォ・アンドリッチ（文学賞）
1973年　カール・フォン・フリッシュ（生理学・医学賞）
* 2019年　ペーター・ハントケ（文学賞、中退）

これらの受賞者は、それぞれの分野で画期的な業績を残し、世界に大きな貢献を果たしました。彼らの研究成果は、現代科学や文化の発展に大きく影響を与えています。

多彩な卒業生

グラーツ大学は、ノーベル賞受賞者以外にも、数々の著名な卒業生を輩出しています。発明家のニコラ・テスラ、登山家で写真家のハインリヒ・ハラー、指揮者のカール・ベームなど、様々な分野で活躍する人材がグラーツ大学で学び、研鑽を積みました。

グラーツ大学は、歴史と伝統に裏打ちされた教育と研究機関として、今後もオーストリア、そして世界の進歩に貢献していくでしょう。

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