グルジアのキリスト教

グルジアのキリスト教に関する概略

グルジアはキリスト教の重要な拠点であり、国民の大半が正教会に属しています。具体的には、約82%の人々がグルジア正教会を信仰し、その中にロシア正教会の信者が約2%含まれています。また、アルメニア教会の信者は人口の約5.9%を占め、主に民族としてのアルメニア人に見られます。ローマ・カトリック教徒はおおよそ0.8%で、主に南部や首都トビリシに居住しています。

歴史的背景

グルジアにおけるキリスト教の伝播は、1世紀に遡るとされます。使徒のシモンとアンデレによる宣教が始まり、337年には国教としてイベリア王国（現・グルジア）の公式な信仰となりました。この重要な出来事は、聖ニノの影響によるものであり、彼女はカッパドキア出身のキリスト教宣教師でした。

グルジア正教会は初めはアンティオキア教会に属していましたが、次第に独自の教義を発展させていきました。特に5世紀から10世紀にかけて、グルジア語への聖書翻訳が行われ、それに並行してグルジア文字も発展しました。キリスト教の伝播は文字言語の発展にも寄与し、初期の文書の多くは宗教的な内容を持っていました。

キリスト教が広まることで、ペイガニズムやゾロアスター教は衰退しましたが、グルジアはその後も幾度となくイスラム勢力の侵略を受けました。しかし、グルジア人はキリスト教徒としてのアイデンティティを保ち続け、異民族の支配の下でも信仰を守り続けました。ロシア帝国による併合後、1811年にはロシア正教会がグルジア教会を管理下に置きその影響を強めました。

1917年、ロシアの支配が終わると、一時的に独立したものの、1921年からは再びソ連の支配下となりました。この間、グルジア教会は弾圧に直面し、教会の献身的な信者たちは苦難を強いられました。しかし、1960年代末から1970年代にかけて、イリア2世が総主教に就任した後、グルジア正教会は復興の兆しを見せ始めました。1988年にはモスクワが教会の再生に同意し、大規模な復活の過程がスタートしました。

グルジアが1991年に再び独立を果たすと、グルジア正教会は完全な独立と強大な影響力を取り戻しました。

グルジア正教会について

グルジア正教会は、全世界で最も古いキリスト教会の一つです。使徒アンデレに由来し、東方正教会の一部でありながら独自の権限を持つ教会です。4世紀以降、グルジアの国教として長い間人気を博し、国の文化やアイデンティティに大きな影響を与えています。

憲法においても、グルジア正教会の特別な役割が認められつつ、国家との独立性も保持されています。2002年の協定により、教会と国家の関係が明文化されています。

グルジアのカトリック教会

グルジアにおけるカトリック教会は主にラテン典礼による信者で構成されています。18世紀以降、アルメニア・カトリック教会の信者も増加しており、グルジアのビザンティン典礼に従うカトリック信者は少数派です。特にビザンティン典礼のカトリック教徒は、グルジア国外に少数存在していることも注目されますが、司祭なしで運営される状況が続いています。

以上のように、グルジアのキリスト教は、その豊かな歴史と多様な信仰が織りなす独特の文化的風景を形成しています。

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