グルームブリッジ34

グルームブリッジ34

グルームブリッジ34は、アンドロメダ座の方向に位置する連星系です。この星系は、イギリスの天文学者スティーヴン・グルームブリッジが作成した『周極星表』に34番目の恒星として記載され、彼の死後の1838年に発表されました。ガイア衛星による観測に基づくと、この系は太陽から約11.6光年（3.6パーセク）離れており、太陽系に非常に近い恒星系の一つとされています。

構成

グルームブリッジ34は、2つの赤色矮星、グルームブリッジ34Aとグルームブリッジ34Bから構成されています。どちらの星も小さく暗いため、肉眼で観測することはできません。2つの星は約93天文単位（au）離れており、共通重心の周りを約1230年の周期で公転しています。この軌道は非常に偏心率が高いことが特徴です。

グルームブリッジ34A（アンドロメダ座GX星）: より質量が大きく明るい方の星で、スペクトル分類はM1.4の主系列星です。フレア現象によって明るさが不規則に変化するため、変光星としての名称も持っています。ガイア衛星の観測データによると、自転周期は約44日、磁気活動周期は約9年です。
グルームブリッジ34B（アンドロメダ座GQ星）: もう一方の星は、主星と同様にフレア現象を示す赤色矮星です。スペクトル分類はM4.1で、主星よりも有効温度が低いのが特徴です。

固有運動と過去の接近

グルームブリッジ34の固有運動は年間2.9秒角と比較的大きく、太陽系からは11.6km/sの速度で遠ざかっています。約15,000年前には太陽から3.5光年（1.1パーセク）以内に接近しており、この時が最も太陽に近づいた時期とされています。

惑星系

グルームブリッジ34Aの周囲には、少なくとも2つの太陽系外惑星が存在することが確認されています。

グルームブリッジ34Ab: 2014年8月に発見が報告されたこの惑星は、W・M・ケック天文台によるドップラー分光法を用いた観測データの分析によって存在が推定されました。発見当時は、既知の太陽系外惑星の中で6番目に地球に近い惑星でした。最小質量は地球の約3.03倍で、公転周期は11.4日です。

グルームブリッジ34Ac: 当初、グルームブリッジ34Abの存在が疑問視された時期がありましたが、その後の観測によって存在が確認されました。また、それと同時に、グルームブリッジ34Acの存在も新たに示唆されました。最小質量は地球の約36倍で、公転周期は約7,600日とされています。

まとめ

グルームブリッジ34は、太陽系に比較的近い連星系であり、2つの赤色矮星と複数の太陽系外惑星を持つ興味深い天体です。その近さから、今後の観測による更なる発見が期待されます。

関連項目

近い恒星の一覧
地球に近い太陽系外惑星の一覧

外部リンク

Alcyone Emphemeris
Image Groombridge 34

もう一度検索