グレイリング (SS-209)

USS Grayling (SS-209)

グレイリング（USS Grayling, SS-209）は、アメリカ海軍の潜水艦であり、タンバー級に分類される艦船の一つです。この潜水艦の名前はサケ科のカワヒメマスに由来しています。グレイリングという名の艦は、1917年から1919年にかけて使用された哨戒モーターボート（SP-1259）を含め、4隻目にあたります。また、グレイリングの喪失直後の1944年には、後継艦である5代目グレイリング（SS-492）が計画されるも、戦争の終結により未着工のままで終わりました。

艦歴

グレイリングの建造は1939年12月15日に、メイン州キタリーのポーツマス海軍造船所で始まりました。そして、1940年9月4日に艦長夫人によって進水し、1941年3月1日にエリオット・オルソン少佐の指揮のもと、正式に就役しました。

その後の活動では、グレイリングは1941年6月20日にUSS O-9（SS-70）の捜索に参加しましたが、運悪くO-9は浮上できなくなり、救助も実を結びませんでした。6月22日には、その遭難者の追悼式に出席しました。8月には大西洋艦隊に参加し、数回の航海を経て、最終的に真珠湾に到着します。

特に特筆すべきは、1941年12月31日です。この日、グレイリングは太平洋艦隊司令長官チェスター・ニミッツ大将の就任式を艦上で行う重要な役割を果たしました。これは、戦艦が損害を被っている中で、戦局を維持するために潜水艦が唯一の選択肢であったためです。

初期の哨戒任務

グレイリングの最初の哨戒任務は1942年1月にマーシャル諸島とギルバート諸島に向けて行われ、数回の攻撃を試みます。2月22日の攻撃は成功しませんでしたが、トレーニングとしては有意義なものでした。3月7日に帰投した後、グレイリングは再び日本近海に向かうことになります。

4月には豊後水道沖で敵艦を撃沈し、続いて日本艦隊の動向を把握する任務も担いました。ミッドウェー海戦においても、日本艦隊の動きについて情報を提供しましたが、誤って同士討ちに巻き込まれそうになる場面もありました。

熱い戦闘の続く日々

1942年の夏には、トラック諸島での哨戒活動に従事し、商船や軍艦に対して攻撃を実施しました。この最中、レーダーを装備し、艦長も交代しました。数回の艦艇との交戦を経て、グレイリングは着実に戦果を上げていきました。

1943年：活動の最盛期と喪失

1943年の初頭からグレイリングはルソン島近海で活動を行い、多くの敵艦船を攻撃しました。しかし、長い任務の中での攻撃が成功することもあれば、失敗することもありました。特に、外的要因による成功が難しく、攻撃の精度を求められる状況が続きました。

7月31日に始まった8回目の哨戒任務では、フィリピン近海での活動が含まれ、抗日ゲリラへの支援任務も命じられていました。この期間に数件の攻撃を行った後、グレイリングの消息は途絶え、1943年9月30日に公式に喪失したことが報告されました。

グレイリングは5度の大きな戦果を上げ、合計で21,575トンを撃沈した功績があります。第二次世界大戦中、彼女は6個の従軍星章を受章し、アメリカ海軍の潜水艦における歴史に名を刻む存在となりました。

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