グレカーレ (駆逐艦)

グレカーレ (Grecale)

グレカーレは、「北東風」を意味する名を持つイタリアの駆逐艦であり、イタリア王立海軍、そしてその後のイタリア海軍で運用されました。艦の建造は1931年から始まり、1934年に進水、同年11月に就役しました。以降、グレカーレは1930年代と第二次世界大戦を通じて多くの重要な任務を果たしました。

建造と艦歴

艦はティレニア造船所にて建造され、1934年に進水しました。イタリアが第二次世界大戦に参戦すると、グレカーレは同型艦と共に第10駆逐艦部隊を編成し、リビアへ向かう護送船団の護衛任務にも従事しました。特に1940年7月には大規模な兵員輸送船団の護衛を行い、無事にベンガジ港に到着させることに成功しました。

第二次世界大戦における活動

グレカーレは、1941年にも数々の護衛任務を担当し、ドイツの物資輸送を支える活躍を見せました。同年の深海での戦闘や、英潜水艦との遭遇もありましたが、最終的に大きな損害なく任務を遂行しました。しかし、11月のトリポリへの護送船団では英軍による攻撃を受け、艦は重大な損傷を負い、以降の修理が必要となります。

修理と近代化

修理は1941年11月から1942年3月まで行われ、艦は近代化されました。主砲や対空兵器、魚雷発射管の.UPDATEが行われ、装備の強化が図られました。1942年には補給船団の護衛に参加し、無事に任務を全うしましたが、徐々に長期戦に伴う艦艇の疲労と後方支援の重要性が増す中で、艦の役割は変わっていきました。

停戦後の姿

1943年にイタリアが停戦すると、グレカーレは連合国に回航され、以降イタリア海軍の一員として再び活躍します。78回にわたる任務を遂行し、様々な護送任務や敵潜水艦への対処を行いました。最終的には、1953年にNATOに加入した際に艦名の表記がD 552に変更され、1955年に高速フリゲートへと改修されています。

指揮艦への改修

1960年には指揮艦としての改修が行われ、艦隊司令官が搭乗可能なように艦の構造が変更されました。これにより、グレカーレは長い艦歴において新たな役割を担うことになりました。最終的には1965年に除籍され、解体されるまでタラント海軍基地にて保管されました。

名称の歴史

グレカーレは、イタリア海軍で与えられた2番目の艦名ですが、最初の艦は1916年にノルウェーの商船で使われていたタグボートです。この名前は後にマエストラーレ級フリゲートに引き継がれています。

総括

グレカーレは、その戦歴や近代化改修、指揮艦への改修を通じ、イタリア海軍における重要な存在でした。数多くの任務を通じて、艦の存在はイタリアの海軍力の象徴となったことでしょう。

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