グレートオーストラリア湾

グレートオーストラリア湾

グレートオーストラリア湾は、オーストラリア大陸の南側に位置する広大な湾です。オーストラリア水路サービスによれば、この湾はペーズリー岬からカーノット岬までの約1160kmを指しています。国際水路機関では、インド洋の一部として定義されていますが、オーストラリア国内では南氷洋に属するという意見が主流です。このため、定義の変更が検討されています。

探検の歴史

この湾を初めて探検したのは、イギリスの航海者マシュー・フリンダースです。彼はオーストラリア大陸を一周する航海を行い、西から東へ向かいながら湾の海岸線を詳細に記録しました。その後、1840年から1841年にかけてエドワード・ジョン・エアが初めて陸地からの調査を行い、湾の自然環境や資源についての理解を深めました。

自然環境

グレートオーストラリア湾の特色は、その多様な地形にあります。高さ60メートルに達する断崖やサーフィンに適した美しい砂浜、特異な岩山など、廻りの景観は多彩です。この湾は5千万年前にゴンドワナ大陸が分裂した際に形成されたと考えられています。また、水深は浅く、海底は大陸棚が広がりますが、他の大陸棚に比べて海生生物が豊富ではありません。

湾に面する陸地は主にナラボー平原で、この地域は降水量が少ないため、流入する水があまりありません。そのため、陸地からの栄養素が乏しく、湾は貧栄養状態に陥っていると考えられています。こうした環境から「海の砂漠」とも称されることがありますが、実際には捕鯨を含む漁業が行われており、特にミナミマグロの漁場としても知られています。さらに、クジラやサメの数が多く、ホエールウォッチングの名所となっています。

ホエールウォッチング

グレートオーストラリア湾では、特にミナミセミクジラの冬の出産地として知られており、湾奥部ではボートを使用するツアーは行われていませんが、陸上からのホエールウォッチングが楽しめます。また、ハンドウイルカやマイルカも観察でき、場合によってはザトウクジラやミンククジラなども見かけることがあります。湾沖合の栄養豊富な海域では、プランクトンやオキアミが大量に発生し、ピグミーシロナガスクジラなどの絶好の餌場となっています。船を使用しないホエールウォッチングが多いものの、ヘリコプターで上空から観察するツアーも存在します。

グレートオーストラリア湾は、その特異な自然環境と豊かな海洋生物、そしてホエールウォッチングの機会に恵まれ、多くの訪問者に魅力を提供し続けています。

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