グレートサンドデューンズ国立公園

グレートサンドデューンズ国立公園は、アメリカ合衆国コロラド州南部に位置する国立公園です。元々は1932年にグレートサンドデューンズ・ナショナル・モニュメントとして指定されましたが、2004年9月13日に国立公園に昇格しました。公園はサン・ルイス・ヴァレーの東端に広がり、約85,000エーカー（約340平方キロメートル）の広大な面積を誇ります。

自然史

公園の最大の特徴は、サングレ・デ・クリスト山脈の西麓に広がる、北米で最も標高の高い砂丘群です。砂丘の面積は約19,000エーカー（約78平方キロメートル）に及び、最も高い場所は谷底から約230メートルにも達します。これらの砂丘は約12,000年前に形成されたと考えられており、その生成過程は独特です。

砂丘の砂は、リオ・グランデ川とその支流によって運ばれた堆積砂が起源です。長年にわたり、西風がこの堆積砂をロッキー山脈方面へと運びました。風はサングレ・ド・クリスト山脈に遮られることで勢いを失い、砂が谷の東側に堆積しました。この堆積が繰り返され、砂丘は徐々に形成されていきました。砂丘の一部には、磁[[鉄鉱]]の沈殿物による黒い砂の地域も見られます。

砂丘の形成には、風だけでなく、水も重要な役割を果たしています。谷を吹き抜ける風が砂や小さな岩を運び、山脈にぶつかって落下させることで、砂丘が形成されます。これは、雪が防雪柵の後ろに吹き溜まる現象と似ています。砂丘の周囲には小川が流れ、砂丘の端を浸食し、砂を下流に運びます。水は地中に浸み込み、再び砂を堆積させ、風がそれを拾い上げて砂丘に戻します。

砂丘の表面を数インチ掘ると湿った砂が現れることからも、水が砂丘の形成に不可欠なことがわかります。もし小川が干上がれば、砂丘は消滅してしまう可能性があります。実際に、モニュメントから国立公園に昇格した背景には、コロラド州の都市や農業のための水資源を保護するという目的がありました。砂丘でのハイキングを体験すると、風の強さを実感できます。風は砂や小石を運び、時にはハイカーに打ち付けるほどです。

その他の特徴

グレートサンドデューンズ国立公園には、砂丘以外にも多様な自然環境が存在します。高山ツンドラ、標高3,940メートルを超える山々、亜高山の森林や草原、モンタンの森林地帯、湿地、アルカリ性の土壌地域など、様々な生態系が共存しています。これら多様な環境が、多種多様な動植物の生息を支えています。公園管理においては、これらの広大な生態系を保護することを重要な目的としています。

公園の珍しい特徴の一つとして、メダノ・クリークがあります。この小川は砂丘の西側を流れ、ビジターセンターの近くに位置しています。メダノ・クリークには、川底がありません。川に常に砂が流れ込み、小さな水中砂丘が形成と崩壊を繰り返しています。そのため、川の中を歩くと、数秒から1分程度の周期で水の波が押し寄せる様子が見られます。水量の多い年には、この波は30センチメートルにも達し、まるで海の波のようです。メダノ・クリークでの砂遊びは、公園を訪れる人々に人気の活動です。

アクセス

最寄りの都市はコロラド州のアラモサです。デンバーやニューメキシコ州のアルバカーキからは車で約4時間の距離です。

公園の歴史

砂丘と周辺地域は、1932年にナショナル・モニュメントに指定されました。2000年11月22日、当時のアメリカ合衆国大統領ビル・クリントンが「2000年グレートサンドデューンズ国立公園と保護地域法」に署名し、国立公園への昇格が決定しました。ザ・ネイチャー・コンサーヴァンシーとの協力により、連邦政府はバッカ牧場の約97,000エーカーを購入し、公園の面積は以前の3倍になりました。これにより、公園の北側と西側に接していた牧場地帯、標高4,000メートルを超えるキット・カーソン山、チャレンジャー・ポイント、南部の排水路が公園に組み込まれました。購入した土地は3つの地区に分けられ、サングレ・ド・クリスト山脈地区はリオ・グランデ国有林に移管されました。西側の地区は野生動物保護区となり、バイソンの群れを受け入れる予定です。東側の地区は、リオ・グランデ国有林から移管され、一定の狩猟が許可される予定です。

外部リンク

公式サイト：Great Sand Dunes National Park & Preserve (National Park Service)(英語版)
コロラド 砂丘 Colorado Great Sand Dunes National Park and Preserve(日本語版)
コロラド州観光局（日本語）
写真家 小池清通（日本語）

もう一度検索