リオ・グランデ川について
リオ・グランデ
川は、
アメリカ合衆国のコロラド州に源を持ち、
メキシコ湾へと流れ出る重要な
川です。その名前は
スペイン語で「大きな
川」を意味するもので、アメリカ国内では「リオ・グランデ
川」と称されることもありますが、これは重複表現です。一方、
メキシコでは「リオ・ブラーボ」として知られ、これは「怒れる
川」の意を持ちます。
地理的特性
この
川は、サンフアン山地からスタートし、サンルイス谷を通過して
ニューメキシコ州へと進みます。具体的には、
アルバカーキや
ラスクルーセスを経て、
テキサス州のエルパソにまで至ります。エルパソとシウダ・フアーレスから下流は、
1845年よりアメリカと
メキシコの国境となっています。
川は南東へ流れ、マタモーロスの東側に小さな
三角州を形成し、最終的に
メキシコ湾に達します。
リオ・グランデ
川は高い山地から始まり、多くが標高の高い地域を流れています。エルパソの地点では標高が1,147
メートルにも達します。
ニューメキシコ州内ではリオ・グランデ地溝を通り、エルパソ以降は
チワワ砂漠内を流れることになります。また、亜熱帯地域にあるリオ・グランデ谷では、広範な
灌漑農業が発展していますが、長期間の乾燥が続くと水が海に達しなくなることもあります。
河口の
三角州地域には塩性湿地が見られ、ハニーメスキートやアカシア・リジデュラ、さまざまな
海草が生育しています。この環境には、ダイゼンやミユビシギなどの鳥類や、
ジャガーやピューマ、
ボブキャットなどの哺乳類が生息しています。付近には、タマウリパン・メスキータルという乾燥した
エコリージョンが広がり、その上にはタマウリパン・マトラルが広がっています。歴史的には、リオ・グランデ
川は約100万年前までリオ・グランデ地溝内の
塩湖で流れ終わっていましたが、その後の地質的変化により現在の流れが形成されています。主要な支流にはペコス
川やコンチョス
川、サラド
川、サンフアン
川があります。また、中流部には
ビッグ・ベンド国立公園があり、河口近くにはラムサール
条約によって保護されたマドレ湖があります。
国際的な重要性
リオ・グランデ
川は国を隔てた河
川であり、エルパソとシウダ・フアーレス、ラレードとヌエボ・ラレードなど、数多くの「米墨双子都市」が存在しています。
1906年には、当初アメリカの領土であった
川の北側が河道変更の影響で
メキシコ領となり、この土地を巡る議論が続きました。最終的には
1977年に
メキシコ領として正式に認定された地区も存在します。
移民と水利用
また、リオ・グランデ
川は移民の渡河が行われる場所でもあります。特に
メキシコからアメリカへ向かう人々が不法に渡河することが多く、それに伴い悲劇も報告されています。2019年には親子が
川を渡る途中で溺死する事件が発生し、政治的議論を呼びました。これを受け、2020年代にも
テキサス州が渡河を制限する措置をとりましたが、それが新たな問題を引き起こしています。
さらに、リオ・グランデ
川の水の利用に関しては、
1906年に結ばれたリオ・グランデ
協定が規定しています。この
協定は、コロラド州、
ニューメキシコ州、
テキサス州及びアメリカと
メキシコ間の水利権について定めた重要な合意です。
結論
リオ・グランデ
川はその流域において多様な生態系や社会的活動が展開される重要な存在であり、今後もその動向が注目され続けるでしょう。