グレートビター湖

グレートビター湖の概要

グレートビター湖（英語: Great Bitter Lake）は、エジプト・アラブ共和国の北東部にある塩湖で、スエズ運河の一部を形成しています。この湖は、スモールビター湖と隣接し、合わせて250平方キロメートルの広さを誇っています。運河が開削される前は乾燥した湖でしたが、現在は運河の重要な一部としての役割を果たしています。

グレートビター湖は、スエズ運河を北に進むと現れるマンザラ湖やティムサーハ湖と接続しています。湖の特徴の一つは、地中海と紅海の海水が自由に行き来できることです。これにより、湖は干上がることがなく、安定した水域を保っています。また、グレートビター湖は潮流の影響を緩和する緩衝地帯としても機能しています。

歴史的背景と重要性

1945年2月14日、アメリカ合衆国のフランクリン・ルーズベルト大統領は、当時のヤルタ会談の後にこの湖を訪れました。彼は、アメリカ海軍の重巡洋艦クインシー号に乗ってサウジアラビアのアブドゥルアズィーズ・イブン＝サウード国王と会談を行いました。この会談は非常に重要なもので、アメリカがサウジアラビアの軍事的安全保障を提供すると引き換えに、サウジアラビアからの石油の安定供給を約束するという密約（クインシー協定）が交わされました。

この会談の内容については、当初は記録が残されていないとされていましたが、実際には通訳を務めた海兵隊のウィリアム・A・エディ大佐によって詳細に記録され、後に「FDR Meets Ibn Saud」として公表されました。この記録は、米国とサウジアラビアの関係の形成における重要な転換点として現在も語り継がれています。

1970年代の出来事

1967年に発生した第三次中東戦争の際、スエズ運河は閉鎖されました。その結果、14隻の船がグレートビター湖に取り残され、1975年まで動けなくなってしまいました。これらの船は、甲板が砂漠の砂によって覆われてしまったため、「黄色い船団」と呼ばれるようになりました。これらの船の存在は、戦争とその影響を物語るものであり、湖の歴史に新たな一ページを加えています。

グレートビター湖は今でも観光名所として知られており、湖の美しい自然に触れることができる場所として、多くの人々を惹きつけています。湖の近くには、歴史的な出来事や自然の美しさを体験できる観光施設が整備されており、訪れる人々に様々な体験を提供しています。この地域は、その独特な背景と自然環境から、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

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