グレート・メフィスト

ザ・グレート・メフィストの生涯と業績

ザ・グレート・メフィスト（本名：James Ault）は、1936年にアメリカ合衆国オハイオ州コロンバスで誕生した元プロレスラーです。彼はリング上ではサウジアラビアを出身地とするキャラクターを演じていましたが、実際はアメリカで育っています。父はドイツ系ユダヤ人で、母はレバノンからの移民という背景を持つ彼は、他のレスラーに比べて特異な経歴を持っています。

メフィストは、少年時代からスポーツに親しみ、特にレスリングとボクシングのトレーニングを受けていました。若者の非行を防ぐために設立されたスポーツクラブでの活動を通じて、レスリングに目覚め、カーニバルの巡業に参加するようになります。彼のプロレスデビューは、オハイオにおいてプロモーターのアル・ハフトのもとで始まりました。

1960年からは、フランキー・ケインというリングネームで活動し、テネシーやノースカロライナ、オクラホマといった各地で戦いを繰り広げました。1963年12月にはアリゾナ州でドン・ケントを下し、アリゾナ・ヘビー級王座を獲得します。1965年7月にはメンフィスでペアを組み、ミッドアメリカ版のNWA南部タッグ王座を奪取しました。その後はタッグチームやシングルプレイヤーとしても多くのタイトルを獲得し、存在感を示しました。

1966年にはフロリダで覆面タッグチーム「ジ・インフェルノス」を結成し、成功を収めたことも彼のキャリアの一部です。1970年代に入ると、グレート・メフィストとして知られるようになり、フロリダを拠点に活動することになります。この時期には、数多くの著名なレスラーたちと抗争を展開。1972年からはカリフォルニアのサンフランシスコ地区にも進出し、数々のタイトルを奪取しました。

1975年にはオーストラリアに遠征し、同じくアラブ人ギミックのレスラーとの対戦を通じてNWA豪亜ヘビー級王座を2度獲得するなど、国際舞台でも活躍を続けました。1980年にはヒールのプレイング・マネージャーとしてジョージア・チャンピオンシップ・レスリングに登場し、数名のレスラーをマネジメントしました。この時期には、日本の全日本プロレスにも来日し、様々な試合に出場しました。

晩年はフロリダにてレフェリーとしても活動しつつ、覆面レスラー「インフェルノ1号」としてリングに立つこともありました。2010年には心臓発作を克服し、サバイバーとして生き延びています。

メフィストが得意とした技にはキャメルクラッチ、ブレーンバスター、ファイアーボールなどがあります。彼の魅力は、単なる技術にとどまらず、アラブ人ギミックを通じて観客に強烈な印象を与えることでした。

主な獲得タイトル

• - アリゾナ・ヘビー級王座：1回
• - NWA南部ヘビー級王座（フロリダ版）：2回
• - NWA世界タッグ王座（フロリダ版）：3回
• - NWA USヘビー級王座（サンフランシスコ版）：1回

ザ・グレート・メフィストのキャリアは、プロレス界における貴重な一歩を刻み、彼の名は多くの人々の記憶に刻まれています。

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