ドン・ケント

ドン・ケント：ヒールとして名を馳せた名レスラー

ドン・ケント（本名：レオ・ジョセフ・スミス・ジュニア）は、1933年6月24日に生まれ、1993年6月7日に59歳で亡くなったアメリカ合衆国のプロレスラーです。そのキャリアは、1956年のデビューから始まり、ヒールのラフファイターとして、主に中西部や中南部を舞台に活躍しました。

初期のキャリア

ジョー・スミスの名義でイリノイ、オハイオ、ケンタッキー、アラバマ、オクラホマなど各地のローカル・テリトリーを転戦し、経験を積みました。1960年代からはドン・ケントのリングネームで活動し、1962年にはNWA世界ジュニアヘビー級王座に挑戦するなど、その実力を示しました。1965年にはNWAミズーリ・ジュニアヘビー級王座を獲得し、若き日のジャック・ブリスコともタイトルを争いました。

ファビュラス・カンガルーズ時代

1967年、ドン・ケントはアル・コステロが結成していたタッグチーム、ファビュラス・カンガルーズに加入します。ロイ・ヘファーナンの後を継ぎ、コステロの新たなパートナーとして、NWA、NWF、WWWFなどの主要団体で活躍しました。オーストラリア人ギミックを演じ、ブーメランを手にブッシュハットを被るスタイルは、多くのファンを魅了しました。1968年には国際プロレス、1972年には日本プロレスにも参戦し、日本のファンにもその名を知らしめました。

1980年代からは、ブルーノ・ベッカーやジョニー・ヘファーナンをパートナーに、新生カンガルーズのリーダーとして活動しました。

シングルでの実績

ドン・ケントは、シングルレスラーとしても数々の実績を残しています。1969年にはNWAセントラル・ステーツ・ヘビー級王座をダスティ・ローデスから奪取。その後もローデスやディック・マードックと王座を争い、ドリー・ファンク・ジュニアのNWA世界ヘビー級王座にも挑戦しました。また、ローデスとマードックのテキサス・アウトローズとファビュラス・カンガルーズのタッグ対決は、1970年にオハイオ地区で大きな盛り上がりを見せました。

さらなる活躍

1974年にはNWAミッドアメリカ・ヘビー級王座を獲得し、その後も複数回に渡って同王座を戴冠しました。デトロイト地区では"ブルドッグ"ドン・ケントと名乗り、USヘビー級王座を奪取するなど、その強さをアピールしました。1978年には全[[日本プロレス]]に参戦しています。

プエルトリコのWWCでは、北米ヘビー級王座を獲得し、ジョニー・ヘファーナンとのカンガルーズ解散後もWWCを主戦場にしました。1984年には覆面レスラー、スーパー・メディコ3号に変身し、WWC世界タッグ王座に返り咲きました。

晩年と死

アメリカ本土では、ディック・ザ・ブルーザーが主宰するインディアナポリスのWWAで活動し、1987年にはWWA世界タッグ王座を獲得しました。これが彼にとって最後のタイトル戴冠となりました。1993年6月7日、ドン・ケントは白血病のため、59歳でその生涯を閉じました。

獲得タイトル

ドン・ケントは、数多くのタイトルを獲得しました。以下はその一部です。

NWAミズーリ・ジュニアヘビー級王座
NWAセントラル・ステーツ・ヘビー級王座
NWA USタッグ王座（トライステート版）
NWA USヘビー級王座（デトロイト版）
NWA世界タッグ王座（デトロイト版）
TWWA世界タッグ王座
ESAインターナショナル・タッグ王座
WWA世界タッグ王座
NWAミッドアメリカ・ヘビー級王座
NWA世界タッグ王座（ミッドアメリカ版）
WWC北米ヘビー級王座
WWCカリビアン・ヘビー級王座
* WWC世界タッグ王座

ドン・ケントは、ヒールとしての悪役ぶりと、確かな実力で、多くのプロレスファンを魅了しました。彼のプロレス界への貢献は、これからも語り継がれていくでしょう。

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