グローエンジン

グローエンジンの概要

グローエンジンは、内燃機関の一種であり、燃焼室に配置されたグロープラグの熱を利用して、燃料と空気の混合気を着火する仕組みを持っています。このエンジンは、英語では「glow plug engine」と呼ばれています。特に模型飛行機の推進装置として広く利用されています。

構造と特性

グローエンジンは、2ストロークと4ストロークの両方の形式で存在します。基本的な設計は火花点火式のガソリンエンジンと似ており、シリンダーヘッドにはスパークプラグの代わりにグロープラグが取り付けられています。このエンジンはキャブレターを用いて空気とアルコール系燃料をあらかじめ混合し、その混合気をシリンダー内に供給します。点火にはグロープラグが利用され、通電することで電熱線が発生し、混合気を着火します。エンジンが一度始動すると、グロープラグの熱によってその後も燃焼が維持されます。点火のタイミングはほぼ自然に決定され、調整ができないのが特徴です。

模型用動力としての使われ方

特に小型の模型用エンジン（排気量20 cc未満）において、シリンダーが非常に小さく、スパークプラグを設置することが困難なため、グローエンジンは依然として主流です。特に1980年代以降、ラジオコントロールの模型飛行機においては、軽量で高出力な動力源が他に存在しなかったため、グローエンジンが独自の地位を築いていました。

かつての模型用グローエンジンは主に2サイクルタイプが主流で、0.2 ccから約30 ccの排気量のものまで多様に存在していました。しかし近年では、3 - 4 cc以下のモデルはリチウム電池などの電動モーターに取って代わられつつあります。グローエンジンで使用される燃料の主成分はメチルアルコールであり、ヒマシ油などの潤滑油や、ニトロメタンなどの燃焼促進剤が混入されています。

焼玉エンジンとの違い

現在使用される模型用のグローエンジンは、焼玉エンジンといくつかの構造的な違いがあります。グローエンジンは火花点火式ガソリンエンジンと同様で、グロープラグを点火装置として使用します。焼玉エンジンは副室を持ち、焼玉の熱で燃料を気化させ、シリンダー内で空気と混合します。グロープラグは着火装置としての役目に特化しているのに対し、焼玉は気化装置も兼ねている点が異なります。これにより、両者の混合気の生成方法には違いが生まれます。

関連情報

グロープラグに関する情報としては、ディーゼルエンジン向けの熱源としても使用される同名の予熱装置があります。また、日本にはグローエンジンを製造しているメーカーがいくつか存在し、特に小川精機、斎藤製作所、塩谷製作所が有名です。グローエンジンを動力にした有人モーターグライダー「OSG3」も関連項目として挙げられます。

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