モーターグライダー

モーターグライダーの概要

モーターグライダー（motor glider）は、動力を持つ特徴を持つグライダーであり、日本の航空法では通常「動力滑空機」と呼ばれています。また、日本では「モグラ」の略称で知られています。これは、動力なしで飛ぶ「ピュアグライダー」とは異なり、飛行中により多くの自由度を提供します。モーターグライダーは、動力滑空機としての特性を持つだけでなく、ピュアグライダーの機能も兼ね備えています。

ピュアグライダーとの違い

従来のピュアグライダーは、自動車やウインチの助けを借りて離陸し、上昇気流を見つけることで維持されますが、上昇気流が見つけられない場合、数分で地面に戻る必要があります。場外からの離着陸の制約も多く、気象や地形、周囲の設備によって大きく制限されていました。一方、モーターグライダーは自身の動力を利用することで、飛行中の高度を維持し、自由自在に飛行することが可能です。これにより、安定した飛行が享受でき、曲技飛行の際にも柔軟な操縦が可能となります。

動力の特徴

モーターグライダーにおいては、一般的に小型のピストンエンジンが動力源として使用されます。そのほか、電動モーターやジェットエンジンを備えているものも存在します。モーターグライダーは、ピュアグライダーに比べると若干性能が劣りますが、上昇中や曲技飛行での高度獲得が容易となり、様々な環境下でも活用しやすい特性を持っています。

種類と設計

モーターグライダーは、飛行方式や設計によって異なる種類があります。

自力発航型

自らの能力で離陸を行うモーターグライダーは「自力発航型」と呼ばれ、上空ではピュアグライダーとして飛行することが可能です。このタイプは製造コストが比較的高く、エンジンの出力に応じて重量も増加します。多くの場合、中央に車輪を持っていますが、非対称な形式の設計も存在し、発進時のハンドル操作を容易にする設計もあります。

サステナー

サステナーは、動力を高度維持のために使用し、離陸は他の手段で行うものです。軽量でコストが安価なのが特徴で、操作もシンプルです。

航行形態の詳細

具体的な航空機の設計を見てみると、モーターグライダーには「Touring Motor Gliders（TMG）」と呼ばれる日本の航空機型があります。これらの機体は通常のプロペラ機と同様の形状を持ち、8馬力から100馬力のエンジンを備えています。航続距離も600キロメートルから1500キロメートルまで対応しており、固定脚を持ち、通常の飛行機のように運用できます。

法律的な定義

法律上、モーターグライダーは動力を持つ航空機として位置づけられており、主に滑空が目的であるため、操縦に関する資格も滑空機系のものと共通しています。日本では、特に自動車用ガソリンを動力源として利用することができるため、経済的側面でもメリットがあります。具体的な定義として、乗員の数や最大離陸重量、重量区分に関する制限があります。これにより、安全で効率的な運航が実現されています。

モーターグライダーは、滑空の楽しさを追求しつつ、自由度と応用力を兼ね備えた魅力的な航空機です。

もう一度検索