グローバルモデルとは？意味をやさしく解説

グローバルモデルとは

グローバルモデルとは、製品を世界規模の市場で販売することを目的とした製品の総称であり、そのような製品を製造するための仕様を指します。2010年代以降、特に携帯電話分野でこの言葉が頻繁に使われるようになりましたが、自動車やオートバイ業界における世界戦略車の別称としても用いられます。

携帯電話におけるグローバルモデル

携帯電話のグローバルモデルは、複数の国で販売されることを前提に設計されています。その主な特徴は、世界標準規格に準拠した機能を搭載し、世界各国で共通して利用できるように設計されている点です。これにより、国ごとの仕様差異を最小限に抑えることが可能です。

例えば、GSMやW-CDMAなど、世界で広く使われている通信方式に対応しています。逆に、ワンセグ、赤外線通信、FeliCa（フェリカ）、おサイフケータイなど、特定の国や地域でのみ利用される機能は搭載されません。

デザイン面でも、特定の国向けのカスタマイズは行われません。通信キャリアのロゴなどは含まれず、メーカーのデザインのみが適用されます。これにより、docomo、auなどのキャリアロゴは表示されません。

これらのグローバルモデルとは対照的に、特定の国に限定された機能や通信キャリア独自の機能を搭載したものは、ガラパゴス携帯やガラパゴススマートフォンと呼ばれ、「ローカルモデル」と広義に捉えられることもあります。また、地域で使用される言語に対応させることを「ローカライズ」と言います。

グローバルモデルの利点

グローバルモデルには、以下のような利点があります。

製造コストの削減: 仕様の共通化により、大量生産が可能となり、製造コストを抑えることができます。
多言語対応: 各国語に対応しており、より多くのユーザーに利用してもらうことができます。
主要な通信方式とバンドに対応: GSMやW-CDMAなど、各国の主要な通信方式やバンドに対応しているため、世界中で利用できます。
メーカーの意図した仕様設計: メーカーが意図した通りの仕様で製品を設計・製造することが可能です。
迅速なOSアップデート: オペレーションシステムのアップデートが、迅速かつ長期にわたって継続されます。

グローバルモデルの欠点

一方で、グローバルモデルには以下のような欠点も存在します。

SIMカードの互換性: 各国のSIMカードを利用するには、対応する通信方式やバンドを確認する必要があります。
特定国の機能の欠如: 特定の国で需要の高い機能やサービスは搭載されていない場合があります。
法律に基づく使用制限: 発売国以外では、その国の法律に基づいた使用が制限される場合があります。例えば、日本では技適マークのない機器での通信は電波法違反となります。ただし、観光客による使用は例外的に認められるなど、総務省の法令運用には曖昧な面も残ります。

まとめ

グローバルモデルは、世界市場で製品を販売するための効率的な手段です。しかし、特定の国のニーズに対応できない場合や、法律による使用制限があるなど、注意すべき点もあります。製品を選ぶ際には、これらの点を理解しておくことが重要です。

グローバルモデル