技適マーク

技適マークとは

技適マーク（ぎてきマーク）は、日本国内で無線通信機器を使用する際に、その機器が電波法や電気通信事業法に基づく技術基準に適合していることを証明するマークです。
このマークは、総務省令によって定められており、無線機器の安全な利用を確保するために不可欠なものです。

概要

技適マークは、技術基準適合証明と技術基準適合認定という2種類の認証に基づいて表示されます。技術基準適合証明は電波法に基づく特定無線設備に対する認証であり、技術基準適合認定は電気通信事業法に基づく端末機器に対する認証です。

当初、これらの認証はそれぞれ異なるマークを使用していましたが、1995年4月にマークが統合され、単一のマークで表示されるようになりました。これにより、小型化が進む機器への表示が容易になりました。

また、技適マークには、認証の種類を表す記号と認証に関する番号が併記されています。

表示

技適マークの表示は、以下の要件を満たす必要があります。

様式: 特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則（証明規則）様式第7号および第14号、ならびに端末機器の技術基準適合認定等に関する規則（認定規則）様式第7号および第14号に準拠していること。
大きさ: 直径3mm以上であること。
材料: 容易に損傷しないものであること（電磁的表示を除く）。
色彩: 容易に識別できること。

認証の内容

技適マークの認証内容は、総務省令およびこれに基づく告示によって定められています。電波法第4条第2号では、このマークが付された特定無線設備を「適合表示無線設備」と定義しています。ただし、技術基準に適合しない場合、または他の無線局の運用を妨げる可能性がある場合は、この限りではありません。

技適マークが無効になる場合

技適マークは、以下のいずれかの場合に無効となることがあります。

公示によるもの

電波法と電気通信事業法には、技術基準に適合しない場合、総務大臣が公示することで技適マークを無効とする規定があります。

電波法第38条の23第1号: 技術基準に適合せず、他の無線局の運用を妨げる場合や人体への危害が発生する可能性がある場合。
電気通信事業法第55条第1項: 技術基準に適合せず、他の利用者の通信を妨害する可能性がある場合。

これらの場合は、電波法第38条の23第2号および電気通信事業法第55条第2項によりその旨が公示されます。

無線設備規則附則に定めるもの

電波法令の技術基準改正や周波数割当変更などにより、従前の無線設備が一定の期日以降無効となる場合があります。これらの規定は、無線設備規則の改正附則に定められます。

技適マークの確認

機器が新技適に対応しているかを確認するには、技術適合証明が新マークであるか、または総務省電波利用ホームページにある「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」を利用します。

規制事項

電波法では、無線局を開設する際に総務大臣の免許が必要ですが、技適マークのある機器は、一部の例外を除き、免許や登録が不要または申請のみで利用できる場合があります。

免許・登録不要: 市民ラジオや小電力無線局など。
免許・登録申請: 構内無線局、簡易無線局、携帯電話端末など。

また、無線設備の改造は原則として禁止されており、技適マークのある機器を改造した場合、マークを除去する必要があります。これに違反すると、罰則が科せられる可能性があります。

電波法違反

技適マークのない機器の使用や、技適マークのある機器を改造して使用することは、電波法違反となります。

無免許無線局の開設: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑。
技適マーク除去の怠り: 50万円以下の罰金刑。
虚偽表示: 50万円以下の罰金刑。

電気通信事業法違反

電気通信事業法では、技術基準適合認定のない端末機器を電気通信回線に接続することが禁じられています。

虚偽表示: 50万円以下の罰金刑。

例外

アマチュア無線機器については、技適マークがなくても、保証認定を受けるなどして免許を得れば使用できます。また、無線従事者が修理などでアマチュア無線機の筐体を開閉しても、技適マークは無効になりません。

まとめ

技適マークは、無線通信機器を安全に利用するために重要なマークです。このマークの有無や内容を正しく理解し、法令を遵守して無線機器を使用しましょう。

参考情報

総務省 電波利用ホームページ
情報通信白書
特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則
端末機器の技術基準適合認定等に関する規則

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