グローバルリーグ

グローバルリーグの概要

グローバルリーグ（Global League）は、アメリカで1969年に唯一のシーズンを経て消滅したプロ野球リーグです。このリーグは、ミルウォーキー・ブレーブスがアトランタに移転する際の反発から、ウォルター・ディルベックが発案し、策定されたものでした。ディルベックは、不動産業を営むプロモーターであり、1966年にフェニックスで行われた創立総会では、リーグの設立を呼びかけました。

では、どのようにリーグが設立され、短命に終わったのかを見ていきましょう。

創立から参入チーム

当初から4つの都市、ミルウォーキー、ダラス、オマハ、ジャージーシティから球場利用権を取得し、更にその他の米国内4都市と東京、マニラ、メキシコシティ、トロントでの球団結成を目指しました。1969年には、以下の国と地区からチームが結成されました：

• - 日本：東京ドラゴンズ（ハポン・デ・トキオ）
• - アメリカ：アラバマ・ワイルドキャッツ、ニュージャージー・タイタンズ
• - ドミニカ共和国：ドミニカ・シャークス
• - ベネズエラ：ベネズエラ・オイラーズ
• - プエルトリコ：プエルトリコ・サンファンズ

見込み通り、合計6チームが参加し、ホーム・アンド・アウェー形式で試合が行われる予定でした。

ルールと試合の進行

リーグは、従来のメジャーリーグや日本プロ野球とは異なる試みを取り入れました。代走制限がなく、指名打者制度や申告敬遠も採用されるなど、ファンの興味を引く工夫がされました。予定された日程は133日間、138試合でしたが、試合数は後に100試合に縮小されることとなりました。

広がりと衰退

リーグ戦はベネズエラ・カラカスを中心に行われ、初期は観客動員も良好でしたが、すぐに状況は一変。6月にはプエルトリコとドミニカ共和国が撤退し、他のチームも運営難に陥りました。旅行費が底をつき、選手たちが給与を半額にされ、宿泊や食事の補助もない厳しい状況が続きました。これを受けてリーグ創立者のディルベックは姿を消し、結局リーグは計画通りの成功を収めることなくその1年で終焉を迎える運命となりました。

東京ドラゴンズの活動

特に注目すべきは東京ドラゴンズの存在です。このチームは、元中日ドラゴンズの選手、森徹が設立を主導し、メジャーリーグに挑戦する若手選手にもチャンスを与えることを目指しました。選手たちには元プロ野球選手が多数在籍し、その中には黒崎武や古賀英彦、交告弘利、鈴木幸弘などが名を連ねました。森はまた、大阪を拠点にするチームの設立や海外からの参加促進も視野に入れていました。

まとめ

結局、グローバルリーグは短命で終わりましたが、その存在は今でも悲劇的な野球の挑戦として記憶されています。過去のこの異色のリーグの体験は、今後のプロ野球の在り方に何らかの影響を与え続けるかもしれません。

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