グローム型フリゲート

グローム型フリゲート

グローム型フリゲート（Grom class frigate）は、ロシア海軍がかつて計画していたフリゲート艦の一つです。この艦級は、正式には12441型警備艦として知られ、さまざまな新しい装備の実用評価試験を目的として開発が進められました。開発は1980年代に始まり、サンクトペテルブルク市のアルマース中央海洋設計局を中心に進められました。特に、主任設計官であるエルスキイ（後にボリソフ）が重要な役割を果たしました。

1994年には最終設計案が完成し、1997年にカリーニングラードのヤンター第820造船所で1番艦が起工されました。しかし、ロシアの財政危機により、計画は深刻な遅延を余儀なくされました。1998年には、進捗がわずか4.5パーセントという状況で一時中止が発表されましたが、2000年にウラジーミル・クロエドフ海軍総司令官が艦を視察した際、その重要性が再評価され、建造再開が指示されました。

本型の設計では、対空・対水上・対潜のバランスを重視した兵装が搭載される予定でした。計画が進行する中で、装備品の見直しが行われ、特にインド向けに設計されたタルワー級フリゲートと同様にステルス性能が考慮されたことが特徴です。艦対艦ミサイルについても当初の3M24 ウラン (SS-N-25) から、より長射程のP-800 オニクス (SS-N-26) へと変更されました。

しかしながら、2004年には建造の進捗が30パーセントに達したところで再び中断され、2005年には最終的に警備艦としての配備を断念する決定が下されました。最初に建造中だった1番艦は1244U型練習艦に設計変更され、建造は続行されましたが、計画されていた2番艦及び3番艦は起工されることはありませんでした。

このような経緯を経て、グローム型フリゲートで試みられた数々の革新的な概念や装備開発は、その後の21世紀におけるアドミラル・ゴルシコフ級フリゲートやステレグシュチイ級フリゲートに引き継がれていくこととなります。本型は、ロシア海軍の新しい戦闘艦の概念モデルとして、その技術的な挑戦が今なお評価されています。

関連項目

• - グローバー: アメリカ海軍の実験フリゲート。
• - ゲパルト型フリゲート: グローム型と同時期に開発されていた警備艦で、より堅実な設計が施され、2010年には2隻が就役していました。

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