ステレグシュチイ級フリゲート

ステレグシュチイ級フリゲート

概要

ステレグシュチイ級フリゲート（英語: Steregushchiy-class frigate）は、ロシア海軍が運用する20380型警備艦の一つであり、海上での防衛任務を効率的に遂行するために設計されています。また、発展型の20381型も同じ系列に含まれます。

歴史的背景

この艦級は、2000年3月にウラジーミル・プーチン大統領が承認した「ロシア連邦海軍行動基本方針」に基づいて、2001年にサンクトペテルブルクのアルマース中央海洋設計局により設計されました。ネームシップとなる艦の建造は2001年に始まり、当初は2005年の竣工を予定していましたが、工期の遅れにより進水は2006年に、就役は2008年に遅延しました。

2番艦以降は、防空能力の強化を目的とした改良型である20381型や、巡航ミサイルの運用能力を持つ20385型、さらに無人機運用能力を有する20386型など、多様な設計変更が行われています。

設計の特徴

このフリゲートはステルス性能を重視して設計されています。主船体は鋼材で作られ、水密区画が9つ存在します。水線下の形状は新たに設計され、水中抵抗を従来型の25%減少させました。艦首にはブルワークが装備されており、上部構造物は複合材を使用してステルス性を高めています。これにより艦内スペースが相対的にゆとりを持つことになっています。

主機関には4基のコロムナ16D49ディーゼルエンジンが使用され、2軸の固定ピッチ・プロペラを駆動します。電源はコロムナ22-26DGディーゼルエンジンを原動機とした発電機で、総出力2,000kWの供給を行っています。加えて、非常時の推進用に隠顕式のアジマススラスターも搭載されています。

装備と武器システム

C4ISRシステム

マストの頂部にはSバンドの3次元レーダー「フルケ2」が設置されています。また、目標捕捉用にMTK-201M電子光学センサーが配され、艦尾には中周波数のザーリャ2ソナーとミノタウル可変深度曳航アレイ（VDS-TASS）が装備されています。

武器システム

防空のため、初期型の20380型には30mmガトリング砲と近SAMの4連装発射機が備えられていましたが、以降の艦は長射程の「リドゥート」を搭載し、防空能力が向上しています。また、対艦ミサイルとして、最初の2艦には3M24「ウラン」が装備されており、後続型の20385型ではカリブルNK巡航ミサイルの運用が可能です。

さらに、艦尾にはヘリコプター甲板とハンガーが設けられており、Ka-27PL哨戒ヘリコプターの運用能力を持っています。20386型モデルでは無人機の運用にも対応できるよう設計されています。

現在の運用状況

本級は最終的に20隻が建造される計画で、現在はバルチック艦隊に配備されている艦が多いですが、他の艦隊にも配分される見込みです。特に20381型の艦は極東のアムール造船所で建造が進められています。

まとめ

ステレグシュチイ級フリゲートは、当初の方針を受けた汎用警備艦として設計され、近代的な装備と能力を兼ね備えています。そのため、今後のロシア海軍の活動において重要な役割を果たすことが期待されています。

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