ケイビーバス

ケイビーバス株式会社：関東バスの夜行高速バス部門から生まれた会社とその歴史

ケイビーバス株式会社（KBバス）は、関東バスの完全子会社として、1998年1月12日に設立されました。東京都中野区に本社を置き、当初は関東バスの夜行高速バス部門を担っていました。その後、関東バスからの路線譲渡や新規路線の開設により、一般路線バス事業にも進出しました。しかし、2009年11月1日、関東バスへの事業統合に伴い、全路線の運行を関東バスへ譲渡し、翌2010年には解散しました。

多様な路線網：高速バスと一般路線バス

ケイビーバスは、多様な路線を運行していました。高速バス路線としては、共同運行会社とともに以下の路線を運行していました。

やまと号（奈良交通と共同運行）： 新宿高速バスターミナルから奈良県方面へ向かう路線です。大和高原、天理駅、近鉄奈良駅などを経由していました。いくつかの経路があり、桜井駅北口、八木駅、高田市駅、近鉄御所駅、五條を経由する経路もありました。
東京ミッドナイトエクスプレス京都号（京阪バスと共同運行）： 新宿高速バスターミナルから京都方面へ向かう夜行高速バスです。渋谷マークシティ、山科駅、京都駅八条口、樟葉、枚方市駅を経由していました。
マスカット号（両備バスと共同運行）： 丸山営業所から岡山方面へ向かう路線です。中野駅、新宿西口、津山、岡山、瀬戸大橋温泉、倉敷を経由していました。
新宿・豊橋エクスプレス ほの国号（豊鉄バスと共同運行）： 練馬駅、中野駅、新宿西口、渋谷マークシティ（一部便）、豊川、豊橋、田原を経由する路線でした。

一般路線バスとしては、以下の路線を運行していました。

椎名町線（宿02）： 新宿西口から丸山営業所を結ぶ路線です。大久保駅、小滝橋、下落合駅、南長崎二丁目、落合南長崎駅、哲学堂東を経由していました。
百人町線（百01）： 高田馬場駅から東中野駅西口を結ぶ路線です。戸山団地中央、社会保険中央病院、小滝橋を経由していました。

廃止路線：利用状況や運行形態の変化

ケイビーバスは、いくつかの路線を廃止しています。

練馬駅 - 野方駅北口 - 中野駅 - 羽田空港線： 関東バス、京王電鉄バス、東京空港交通との共同運行路線でしたが、利用状況の悪化により、ケイビーバスは2006年に撤退しました。
東京ミッドナイトエクスプレス宇治号： 新宿高速バスターミナルから宇治方面へ向かう路線でしたが、2008年に廃止され、樟葉経由の路線に変更されました。

車両の特徴と変遷：中型・小型車中心

ケイビーバスの車両は、関東バスと異なり、大型車は保有しておらず、中型車と小型車のみでした。2004年以前は関東バスからの移籍車両が中心でしたが、2004年からは新車導入も行っていました。しかし、車両の入れ替えは頻繁に行われており、廃車や移籍が繰り返されていました。2009年10月31日時点では、中型・小型ノンステップ車と少数の小型ワンステップ車が在籍していました。これらの車両は、事業統合に伴い関東バスに戻されました。

ケイビーバスの事業統合と解散：関東バスとの再編

ケイビーバスは、2009年11月1日に関東バスへ事業を統合し、全路線の運行を譲渡しました。その後、清算手続きを行い、2010年に解散しました。短期間ながらも、関東バスの重要な役割を担っていたケイビーバスの歴史は、関東バスのバス事業発展の一端を担ったと言えるでしょう。

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