ケネス・シムズ

ケネス・ウェイン・シムズは、1959年10月31日にテキサス州コッセで生まれ、2025年3月21日に亡くなったアメリカンフットボールの選手でした。ディフェンシブエンドとしてニューイングランド・ペイトリオッツでプレーしましたが、NFLドラフト全体1位指名という輝かしい経歴とは裏腹に、期待外れだった選手として語られることが多い人物です。

高校時代、シムズは一時フットボールを辞めるも、最終学年で復帰。ラインバッカー、フルバック、タイトエンドとして活躍しました。テキサス大学に進学後、2年次にはスティーブ・マクマイケルやビル・アッカーの控えを務めました。3年次には131タックルを記録し、オールアメリカンに選出。4年次には、テキサス大学の選手として初めてロンバルディ賞を受賞しました。

ドラフト指名前の1982年1月、シムズはコカインの陽性反応を示しましたが、代理人は足の骨折治療のためと説明しました。同年のNFLドラフトで、ニューイングランド・ペイトリオッツから全体1位で指名を受けました。このドラフトでは、ペイトリオッツは2巡目で後にプロフットボール殿堂入りを果たすアンドレ・ティペットも獲得しています。

1984年には全16試合に出場したものの、3.5サックに終わりました。1985年には5.5サックを記録し、チームは第20回スーパーボウルに進出。しかし、シカゴ・ベアーズに敗れた後、マリファナ不法所持で逮捕され、5000ドルの罰金を支払うこととなりました。

1988年にはアキレス腱断裂の影響で1試合のみの出場に終わり、1990年6月にはコカイン不法所持で再び逮捕。チームのトレーニングキャンプに参加することなく、ペイトリオッツから解雇されました。

偉大なディフェンシブエンドになると期待されたシムズでしたが、8シーズンのプロ生活でわずか17サックにとどまりました。ドラフト1位という期待に応えられなかった背景には、度重なる怪我や薬物問題があったと考えられます。

2025年3月21日、シムズは自宅で息を引き取りました。彼のNFLでのキャリアは、才能がありながらも様々な要因でそのポテンシャルを十分に発揮できなかった、複雑な物語として記憶されています。

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