ケビン・クーズマノフ

ケビン・クーズマノフ：波瀾万丈な野球人生を送ったクラッシン・ロシアン

ケビン・クーズマノフ（Kevin Kouzmanoff, 1981年7月25日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ニューポートビーチ出身の元プロ野球選手。三塁手として、右投右打で活躍しました。マケドニア系アメリカ人でありながら、「クラッシン・ロシアン（The Crushin' Russian）」という愛称で親しまれていました。

インディアンスでのメジャーデビューと衝撃の一打

2003年、クリーブランド・インディアンスからドラフト6巡目（全体168位）で指名されプロ入り。2006年9月8日、トラビス・ハフナーの代役としてメジャー契約を結び、9月2日のテキサス・レンジャーズ戦でメジャーデビューを果たします。この試合、7番・指名打者として先発出場したクーズマノフは、二死満塁の場面で迎えた第1打席で、なんと初球を叩き、メジャー初打席満塁本塁打を放ちました。これはMLB史上3人目の快挙であり、「初球を打っての達成」となると史上初の記録でした。この衝撃的なデビューを飾ったクーズマノフは、シーズン終了までに16試合に出場。打率.214ながらも、12安打中5本が長打というパワーを見せつけました。

パドレスへの移籍と期待

2006年11月8日、ジョシュ・バーフィールドとのトレードで、アンドリュー・ブラウンと共にサンディエゴ・パドレスへ移籍。当時パドレスは、リーグ1位の防御率を誇る投手陣を擁する一方で、打線が課題となっていました。そこで、球団は強打者の獲得を最優先事項とし、三塁手の固定も急務でした。前年、三塁手として6選手を起用しましたが、計18失策は全ポジション中最多という状況でした。これらの課題を解決する存在として、クーズマノフに白羽の矢が立ちました。バーフィールドとのトレードは、ファンから不評を買いましたが、球団はクーズマノフに大きな期待を寄せていました。

2007年、クーズマノフはパドレスと1年契約を結び、開幕から正三塁手として出場。しかし、4月は打率.113と不振にあえぎます。それでも5月には月間打率.303を記録し復調すると、後半戦には打率.317と好調を維持。ポストシーズン進出争いが激化する中、シーズン最後の10試合中9試合で3番打者として先発出場するなど、チームの中心選手として活躍しました。

アスレチックス、ロッキーズ、そしてマイナーへ

2010年1月16日、スコット・ヘアストン、アーロン・カニンガムとのトレードで、オークランド・アスレチックスへ移籍。開幕から4番に起用され、守備では高い評価を得ましたが、打撃では打率.247、16本塁打と低迷。2011年はさらに不振となり、AAA級へ降格を経験しました。その後、コロラド・ロッキーズへ移籍するも、目立った活躍はできず、FAとなります。

2012年以降は、カンザスシティ・ロイヤルズ、マイアミ・マーリンズとマイナー契約を結び、AAA級でプレー。2013年12月12日には、テキサス・レンジャーズとマイナー契約を結びます。2014年にはレンジャーズでメジャー契約を結びましたが、同年オフにFAとなりました。

波瀾万丈なキャリアを終えて

メジャーデビュー戦での満塁本塁打という鮮烈なデビューを飾ったケビン・クーズマノフ。その後は、複数の球団を渡り歩き、期待されたほどの活躍はできませんでしたが、持ち前のパワーでファンを魅了しました。その野球人生は、まさに波瀾万丈という言葉がふさわしいものでした。

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