ケビン・ローアリー

ケビン・ローアリー：NBA選手、そして名コーチ

ケビン・マイケル・ローアリー（Kevin Michael Loughery, 1940年3月28日 - ）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン出身の元プロバスケットボール選手、指導者です。彼はNBAのボルティモア・ブレッツ（現ワシントン・ウィザーズ）の隆盛を支えた選手の一人として知られています。

選手キャリア

セント・ジョンズ大学卒業後、1962年のNBAドラフトで11位指名を受け、デトロイト・ピストンズに入団しました。ピストンズでは控え選手としてプレーしていましたが、1963-64シーズンにボルティモア・ブレッツへ移籍したことが転機となり、大きく成長します。1968-69シーズンにはキャリアハイとなる22.6得点4.8アシストを記録し、アール・モンロー、ウェス・アンセルドらと共にチームを牽引しました。1970-71シーズンにはチーム史上初のNBAファイナル進出を果たしますが、翌1971-72シーズンにフィラデルフィア・76ersへトレードされました。

1972-73シーズンは選手兼任のままヘッドコーチに就任し、シーズン終了後に現役を引退。NBA通算成績は11シーズン755試合出場、11,575得点2,803アシスト、平均15.3得点3.7アシストでした。

コーチキャリア

76ersでは選手兼ヘッドコーチとしてチームを指揮しましたが、シーズン途中にヘッドコーチに就任した時点でチームの成績は4勝47敗と低迷していました。ローアリーは残りの試合を5勝26敗と若干持ち直させたものの、このシーズンの76ersはNBA史上最低勝率となる9勝73敗に終わりました。シーズン終了後、ローアリーはヘッドコーチを解任されます。

翌1973-74シーズンからはABAのニューヨーク・ネッツのヘッドコーチに就任し、1980-81シーズンまでの8シーズンに渡って采配を振るいました。当時のネッツはジュリアス・アービング擁するABA屈指の強豪チームであり、ローアリーのコーチ就任1年目から優勝、1976年にも優勝を果たしました。しかし、ABAが消滅し、ニューヨーク・ネッツからニュージャージー・ネッツと姿を変えた1976-77シーズン以降は、アービングの移籍により不振に陥りました。

1981-82シーズンからはアトランタ・ホークス、1983-84シーズンからはシカゴ・ブルズを指揮し、ドミニク・ウィルキンスやマイケル・ジョーダンといった、その名を歴史に残す名選手たちのルーキーイヤーを指導しました。放任主義なローアリーの方針のもと、ジョーダンはルーキーイヤーから自由にプレイすることができ、その後のジョーダン人気の加熱に繋がったと言われています。

その後は古巣のブレッツ、マイアミ・ヒートのヘッドコーチを歴任しました。

コーチキャリアはABA、NBA通じて20シーズンに及び、1,388試合を指揮。642勝746敗、勝率.463の成績を残し、プレーオフ出場は11回、ABA優勝2回を誇ります。

外部リンク

選手成績
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