ケフェウス座V354星

ケフェウス座V354星



ケフェウス座V354星は、銀河系に存在する赤色超巨星であり、特に脈動変光星という特性を持っています。カタログによると、明るさは10.82等から11.35等まで変化するとされ、私たちの太陽から約9,000光年の距離にあると考えられています。この星の直径は太陽の690倍から1,520倍に達すると推測されており、特に大きなサイズを持つ恒星として知られています。そのため、もしケフェウス座V354星が太陽系の中心に置かれた場合、半径は3.2AUから7.1AUに及ぶことになります。大きい値であれば木星の軌道の外側、小さい場合でも火星の軌道を越える距離となります。

同定



ケフェウス座V354星は、IRASや2MASSの観測によって特定されており、赤色超巨星でありながら変光星の一種であることが確認されています。しかし、1981年に変光星総合カタログに記載されるまでは、その存在自体はほとんど知られていなかったのです。以前のカタログ、たとえばヘンリー・ドレイパーカタログやボン掃天星表には含まれていませんが、ディアボーン天文台のカタログに名前が見つかることがあるものの、その利用は限られていました。また、この星は時折「Case 75」とも呼ばれ、これはワーナー＆スウェイジー天文台の観測結果に関連しています。この観測により、異常に赤いM型星としてカタログに収められています。近隣にあるF型星BD+58°2450と同一視されることもあるのですが、これは誤解に基づくものです。

距離



ケフェウス座V354星の距離に関しては、年周視差の測定が困難なため、具体的な距離を算出するのは難しい状況です。しかし、この星はケフェウス座OB1アソシエーションに近く、そこから約9,000光年の範囲に位置していると考えられています。このアソシエーションに属しているかどうかはまだ不明ですが、同様の距離にいる可能性が高いとされています。

特徴



ケフェウス座V354星のサイズや光度については、さまざまな議論が交わされています。最初にこの恒星の半径を詳しく推定した際、非常に明るい放射等級を基にすると、半径は太陽の1,520倍という結果が得られ、既知の恒星の中でも非常に大規模なものと見なされました。しかし、測光観測の結果に基づく推定では、光度がその1/5に過ぎず、その結果による典型的な半径は太陽の690倍となります。このような大きな差異は、光度推定の過程での誤差に起因している可能性が示唆されていますが、その原因についてはまだ解明されていません。

減光を推定する際にも異なる結果が見られ、2等級や6等級という2つの異なる値が得られる現象が確認されています。これは、ケフェウス座V354星に関連する研究が今後も進展し、さらなる理解が深まることを示唆しています。

脚注



  • - 注釈

  • - 出典

関連項目


  • - 直径が大きい恒星の一覧
  • - 光度が大きい恒星の一覧
  • - ケフェウス座の恒星の一覧

外部リンク


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