ケプラー296e

ケプラー296e

ケプラー296e（英語: Kepler-296e）は、地球から見て約740光年の距離に位置し、こと座の方向にある太陽系外惑星です。この惑星は、赤色矮星同士の連星系であるケプラー296の一部を構成する主星、ケプラー296Aの周囲を回る5つの惑星の一つとして知られています。

発見

ケプラー296eは、アメリカ航空宇宙局（NASA）のケプラー宇宙望遠鏡による観測データから発見されました。その存在は2014年に確認され、この際に一度に発表された715個の新しい太陽系外惑星群の中に含まれていました。

名称

主星ケプラー296Aのみを公転していることから、この惑星はケプラー296Aeとも呼ばれることがあります。発見前のカタログでは、ケプラー宇宙望遠鏡の関心対象天体（KOI）リストにおいてKOI-1422eまたはKOI-1422.05として登録されていました。さらに初期のケプラー入力カタログ（KIC）ではKIC 1149758eという名称が与えられていました。この他にも、2MASS J19060960+4926143eやWISE J1906.59+492614.2eといった、異なる観測プロジェクトに基づいた識別名も存在します。

特徴

ケプラー296eは、その大きさにおいて地球と比較されます。推定される半径は地球の約1.53倍、または1.75倍とされています。主星である赤色矮星ケプラー296Aからの平均軌道距離は約0.169天文単位（AU）で、これは太陽から地球までの距離の約17%に相当します。この比較的近い距離を、ケプラー296eは約34.14211日の公転周期で一周しています。

特筆すべきは、この公転軌道が主星ケプラー296Aの「ハビタブルゾーン」内に位置している点です。ハビタブルゾーンとは、惑星の表面に液体の水が安定して存在できる可能性のある、恒星からの適切な距離範囲を指します。ケプラー296eはハビタブルゾーン内にあるため、その推定表面温度は244ケルビン（-29℃）と計算されており、これは生命が存在するために適した温度の範囲内にあると考えられています。したがって、ケプラー296eには生命が存在しうる環境が整っている可能性が指摘されています。同じケプラー296系には、ケプラー296eの外側を公転するケプラー296fという惑星もあり、こちらも同様にハビタブルゾーン内に位置し、生命存在の可能性を持つとされています。

注目度

ケプラー296eは、生命居住可能とみられる太陽系外惑星として発見されたものの、当初は2013年に発見されたケプラー62eやケプラー62f、そして2014年4月に発表されたケプラー186fといった、より広く注目を集めた他の地球型惑星ほどは話題になりませんでした。しかし、2015年により地球に似ているとされるケプラー438b、ケプラー440b、ケプラー442bといった惑星が発見された際に、それらとの比較対象として取り上げられたことから、改めて関心を集めることとなりました。様々な比較研究において、ケプラー296eは生命存在の可能性を持つ候補の一つとして、重要な位置づけを与えられています。

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