ケプラー451b

ケプラー451b：連星系を巡る巨大ガス惑星

ケプラー451bは、連星ケプラー451を公転する太陽系外惑星です。この惑星の発見は、通常の惑星とは異なる手法で行われ、その特異な環境が注目を集めています。

発見の経緯

ケプラー451bは、A. S. Baranらの研究チームによって発見され、その成果は2015年3月に天文学専門誌「アストロノミー・アンド・アストロフィジックス」に掲載されました。この発見を可能にしたのは、恒星が互いに食を起こす食連星に特有の「Eclipse Timing Variation法」と呼ばれる観測手法です。

研究チームは、ケプラー宇宙望遠鏡が37ヶ月間にわたって収集した16000ものデータを詳細に分析しました。その結果、連星の食のタイミングに周期的な変動が見られ、その変動が第三の天体、つまり惑星からの影響によって引き起こされている可能性が示唆されました。この緻密な分析によって、ケプラー451bの存在が確証されたのです。

周連星惑星としての特徴

ケプラー451bの最大の特徴は、連星系を構成する個々の恒星ではなく、連星系全体を公転する「周連星惑星」であるという点です。そのため、ケプラー451(AB)bと表記されることもあります。この惑星は、連星から平均0.92天文単位（au）離れた軌道を、約416日かけて公転しています。

質量は木星の約1.9倍と推定されており、巨大ガス惑星に分類されます。ケプラー宇宙望遠鏡の観測データから発見されましたが、その半径は現在のところ不明です。

主星ケプラー451

ケプラー451は、特異な構成を持つ連星系です。主星は、太陽の約22%の大きさを持つB型準矮星であり、スペクトル型はsdBV型に分類されます。伴星は、さらに小さく、太陽の約16%の大きさしかない赤色矮星です。このように、質量や明るさが大きく異なる2つの恒星が互いに重力的に束縛され、連星系を形成しています。

周連星惑星研究の重要性

ケプラー451bのような周連星惑星の研究は、惑星形成理論に新たな視点をもたらします。単独の恒星の周りで惑星が形成される過程とは異なり、連星系では複数の恒星の重力の影響を受けながら惑星が形成されるため、より複雑な過程を経ると考えられます。ケプラー451bの研究を通じて、連星系における惑星形成のメカニズムや、惑星の軌道安定性などについて、より深く理解できる可能性があります。

関連情報

周連星惑星: 連星系を公転する惑星の総称。ケプラー451b以外にも、多くの周連星惑星が発見されています。
おとめ座HW星: ケプラー451と同様に、B型準矮星と赤色矮星からなる連星系で、2つの周連星惑星が発見されています。

外部リンク

Open Exoplanet Catalogue
The Extrasolar Planets Encyclopaedia

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