ケプラー9d

ケプラー9d

ケプラー9dは、地球から見てはくちょう座の方向におよそ2,000光年離れた位置に存在する、太陽系外惑星の一つです。この惑星は、恒星ケプラー9の周囲を公転しています。

物理的特徴

ケプラー9dは、その物理的な性質において、いくつかの際立った特徴を持っています。

サイズと分類

ケプラー9dの半径は、私たちの地球の半径のおよそ1.64倍であると推定されています。このサイズから、質量が大きいものの、巨大ガス惑星ほどではないサイズの惑星を指す「スーパーアース」と呼ばれる分類に属すると考えられています。スーパーアースは、一般的に地球のような岩石惑星である可能性が指摘されていますが、その正確な組成については更なる研究が必要です。

軌道の特性

この惑星は、主星である恒星ケプラー9から極めて近い軌道を回っています。主星からの距離はわずか0.0273天文単位（au）に過ぎません。1天文単位は地球と太陽の平均距離に相当するため、ケプラー9dは地球が太陽から離れている距離の約37分の1という、非常に主星に近い場所を公転していることになります。キロメートルに換算すると、この距離はおよそ408万キロメートルとなります。このような近距離を、ケプラー9dはわずか1.6日という驚くほど短い公転周期で一周しています。これは、太陽系内のどの惑星の公転周期と比べても格段に短いものです。

表面環境

主星に非常に近い軌道を周回しているため、ケプラー9dは恒星からの強い放射を絶えず受けています。これにより、この惑星の平衡温度は極めて高い値に達すると推定されています。計算によると、その平衡温度は2,026ケルビン（K）に達し、摂氏に換算するとおよそ1,753度という高温になります。この温度は、多くの岩石や金属が溶融・蒸発するほどの過酷な環境を示唆しており、表面に液体の水や生命が存在する可能性はほぼありません。

まとめ

ケプラー9dは、遠方の恒星ケプラー9の周りを公転するスーパーアースと考えられている太陽系外惑星です。地球よりやや大きいサイズを持つ一方で、主星に極端に近い軌道と、それによる超高温という、私たちの太陽系内の惑星とは大きく異なる特徴を持つ天体として注目されています。このような極限的な環境を持つ惑星の発見は、多様な太陽系外惑星の研究を進める上で重要な情報を提供しています。

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