ケメロヴォ

ケメロヴォの概要

ケメロヴォ（ロシア語: Кемерово）は、ロシア連邦のシベリア[[連邦管区]]に属するケメロヴォ州の州都であり、2021年の人口は約55万7000人です。この都市はモスクワから約3482km東に位置し、ノヴォシビルスクの北東側に広がり、トム川のほとりにあります。シベリア[[鉄道]]の支線が通り、長い間、石炭産業や化学工業、肥料製造を中心とする工業都市として知られていますが、ソビエト連邦の解体後には激しい工業生産の減少が見られ、失業率の上昇が問題となっています。市街地の南方にはケメロヴォ国際空港があり、地域の交通の要所となっています。

歴史

ケメロヴォの歴史は1657年に始まり、初めはトムスクとクズネツク要塞との中継点として作られました。1701年にはトム川の左岸にシチェグロヴォと呼ばれる集落が成立し、その後1859年にはシチェグロヴォ村とケメロヴォ村を含む七つの村が存在しました。1721年の石炭発見は、この地域の発展を大きく促し、1907年に最初の炭鉱が開発され、1916年には化学工場も設立されました。1918年には、鉄道の開通によってシチェグロヴォは急成長を遂げ、「シチェグロフスク」として市に昇格。1932年に名称がケメロヴォに変更され、1943年にケメロヴォ州の州都となりました。第二次世界大戦後には、シベリア抑留の日本人捕虜が収容されていた歴史もあります。

教育

市内には多くの教育機関が存在し、ケメロヴォ国立大学やクズバス国立工科大学、ケメロヴォ医科大学、ケメロヴォ芸術大学、ケメロヴォ農業大学などが設置されています。これらの大学は、地域の教育水準を支える重要な役割を果たしています。

気候

ケメロヴォは寒冷な気候で、1月の平均気温は-18度、7月の平均気温は20度です。年間の降水量は約420mmであり、夏には14～32度の気温が観測されることが一般的です。過去には1953年7月に最高気温37度を記録したことがあるものの、近年は35度以上を記録することは少なく、厳しい暑さはあまり見られません。

姉妹都市

ケメロヴォはいくつかの都市と姉妹提携を結んでおり、アメリカ合衆国のモンタナ州に位置するビリングスや、ハンガリーのシャルゴータルヤーンがその例です。

出身人物と事件

この地域からは作家エヴゲーニイ・グリシコヴェツを含む著名な人物が輩出されています。また、近年の大きな事件として、2018年3月25日に発生した複合商業施設での火災があり、64人が命を失うという悲劇がありました。この火災は消防設備の不備や従業員の行動によるもので、災害後には州知事が辞任しています。さらに、大気汚染の問題が深刻化している中、2019年には変色した黒い雪が降るという現象も起こり、州知事が地元の石炭処理工場を閉鎖するよう命じています。

ケメロヴォは、その豊かな歴史と多様な産業の背景を持ちながら、現代の課題にも直面している都市です。

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